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年賀状について考える

2009-12-18 13:14:10 | 雑学・豆知識・うんちく・小ネタ

Photo_4 起源は、はっきりとはしないが、日本には奈良時代から新年の年始回りという年始の挨拶をする行事があり、平安時代以降元日から小正月115日)までの間に、前年、世話になった人々、主君、師匠、父母、親戚、近隣の人達の家に年始の挨拶周りの習慣があった。

貴族や公家にもその風習が広まって挨拶が行えないような遠方などの人への年始回りに変わるものとして書状でも交わされた

平安期の学者、藤原明衡(ふじわらのあきひら)が著した手紙の模範文集「雲州消息(うんしゅうしょうそく)」には年始あいさつ状の文例があり、これが現存する最古の年賀状といわれている。Photo_3

時代とともに新年の挨拶は一般に広まり、江戸時代になると飛脚が書状を運ぶようになった。

明治維新後1871年、郵便制度が確立したが年賀状は書状で送るところがほとんどで、数は決して多くはなかった。1873年に郵便はがきを発行するようになると、年始の挨拶を簡潔に安価で書き送れる葉書で年賀状を送る習慣が急速に広まっていった。Photo_5

しかし明治20年頃になると年賀状を出すことが国民の間に年末年始の行事の1つとして定着し、その結果、年末年始にかけて郵便局には多くの人々が出した年賀状が集中し郵便取扱量が何十倍にもなってしまった。

郵便事業に携わる人の数は限られているため膨大な年賀状のために郵便物全体の処理が遅れ、それが年賀状以外の郵便物にも影響し通常より到着が遅れることがしばしば発生していた。しかも年末は商売上の締めの時期にも当たり、郵便の遅延が経済的障害ともなりかねない状況となっていた。

その対策として1890年に年始の集配度数を減らす対策が講じられた。それでも、さらに増え続ける年賀状にその対応だけではとても追いついていけなかった。また当時、郵便物は受付局と配達局で2つの消印が押されていた。そこで受付局か配達局の「11日」の消印を押してもらうため多くの人がそこを狙って年賀状を出すようになり、122628日あたりと11日当日の郵便物が集中するようになった。

Photo そこで1899、その対策として指定された郵便局での年賀郵便の特別取扱が始まった。年末の一定時期(具体的には122030日の間)に指定された郵便局に持ち込めば、「11日」の消印で元日以降に配達するという仕組みになっていた。

1900年には(必要に応じてではあるが)全国の郵便局で実施、私製葉書の使用も認められ、1905年に完全に全国の郵便局で実施されるようになった。なお年賀状は本来、元日に書いて投函するのであるがこの特別取扱をきっかけに年末に投函し元日に配達するようになった。

また、当時はある程度の枚数を束ねて札をつけ、郵便局に持ち込むことが原則であったが1907年から葉書の表に「年賀」であることを表記すれば枚数にかかわらず郵便ポストへの投函も可能となった。

今でも新年の挨拶周りは残っており、この場合には、年賀状を送る必要は無いということになります。

したっけ。

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倉内佐知子

「涅槃歌 朗読する島 今、野生の心臓に 他16篇(22世紀アート) 倉内 佐知子 22世紀アート」

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