団塊オヤジの短編小説goo

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都月満夫の短編小説集2

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「紅葉と黄葉」について考える

2013-10-21 10:46:15 | 雑学・豆知識・うんちく・小ネタ

落葉とは、寒い季節を迎えた際に、葉を付けたままではそこから得られるエネルギーよりも葉を維持するために消費するエネルギーの方が多くかかってしまうのを避けるために起こる現象です。翌年新たな葉を生み出すための労力を差し引きしても、今ある葉を一旦処分してしまうのです。

【黄葉するしくみ】

イチョウやポプラなどの黄葉、これは実は元々葉に含まれていたカロチノイド系の黄色の色素によるものです。秋の始めあたりまでは葉緑素クロロフィルの強い緑色に隠れてしまっているので目立ちませんが、気温が低くなってくると落葉の準備とともにクロロフィルの分解が始まります。これに対してカロチノイドは分解がよりゆっくりと進みますので、クロロフィルの緑色が消えると今まで隠れていた黄色が現れるわけです。

クロロフィル(緑)+カロチノイド(黄色)で緑色に見えていた葉からクロロフィル(緑)がなくなるので、残ったカロチノイド(黄色)の色が見えてくるのです。

これは引き算です。

【紅葉するしくみ】

これに対してカエデ類の多くのように赤く色づく葉では、違った変色のしくみが働いています。ここにも元々カロチノイドは含まれていますが、これらの樹種の葉では葉緑素クロロフィルの分解とともに新たに赤いアントシアニン系の色素が大量に作られるために、カロチノイドの色と混ざって鮮やかな赤色から橙色を呈するようになります。紅葉した樹木でも同じ葉の中で赤い部分と黄色い部分ができていることがありますが、これは何かの原因でアントシアニンの分布に偏りが生じたために一部でカロチノイドの色だけが現れているのです。

クロロフィル(緑)+カロチノイド(黄色)で緑色に見えていた葉からクロロフィル(緑)がなくなり、アントシアニン系の色素(赤)が大量に作られるのであかくみえるのです。

これは足し算です。

Kouyou

【紅葉する理由】

では、これら紅葉する植物がわざわざ落葉前の短い期間のみに赤い色素を作り出す理由は何なのでしょうか。古くからそのことは謎とされてきましたが、最近になってある仮説が提唱されています。

秋になって気温が下がってくると、落葉植物の葉ではだんだんとその代謝活動が低下します。葉が落ちる前にそこに含まれる養分のうち再利用できるものはできる限り回収してしようとします。

葉の光合成の場である葉緑体も分解が始まり、その核となるクロロフィルが殻の中から出てきます。このクロロフィルも先に述べたようにやがては分解されるのですが、実はそこまでの時間差が大問題であるらしいのです。

ご存知の通り、葉緑体では光をエネルギー源として水と二酸化炭素からブドウ糖と酸素をつくります。ところが葉緑体の構造からその中心的存在であるクロロフィルだけが外に出て光を受けるとエネルギーを吸収した励起状態になり、周辺に存在する酸素に直接働きかけて非常に毒性の強い活性酸素(一重項酸素)をつくり出してしまいます。

活性酸素の作用で葉の細胞の構造が壊される(光酸化障害)と、葉に残る栄養分の回収作業の能率が大幅に低下してしまう危険性があるのです。回収されるべき養分は翌年の春にまた新しく葉を出すためにとても重要です。何とかしてクロロフィルの暴走から葉の細胞を守らなくてはなりません。

ところで、光合成を行う上で最も効率の良いのは青色の光です。逆に言えば青色の光をクロロフィルから遮ってしまえば、活性酸素生成の危険性は低くなります。

ここで登場するのがアントシアニンです。アントシアニンは青色の光をよく吸収してクロロフィルの励起を抑制する結果、赤く紅葉した葉では強い光を当てたときに光酸化障害を受ける程度が黄色の葉よりも低いという実験結果が出ているそうです。

つまり、紅葉する植物は葉緑体の構造が分解されるのと前後して葉の細胞にアントシアニンのカーテンを張り巡らして、クロロフィルに強い光が当たらなくするという手段を身につけたのだ、と考えることができるのです。

ただし、春から夏の間はアントシアニンが葉の中にあっては光合成の能率が落ちて成長の邪魔になってしまいますから、光合成活動のほとんど終わった秋になってから一気にアントシアニンが合成されるのだと思われます。

Photo

美しく色づいたカエデの樹はまさに日本の秋の風物詩と言えるでしょう。その赤い色は華やかさの中で、実は植物にとっては葉が散る直前に繰り広げられる光との静かなる攻防の現れなのかもしれません。

Photo_2

したっけ。

コメント (6)
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倉内佐知子

「涅槃歌 朗読する島 今、野生の心臓に 他16篇(22世紀アート) 倉内 佐知子 22世紀アート」

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