年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

築地市場の28日目原爆まぐろ

2011年04月07日 | 築地市場にて
東京都中央卸売市場史下巻849頁~872頁
昭和38年3月発行
今の状況を考えると実に不適切な表現で原爆マグロの問題が書かれている。
 「昭和29年3月、市場は空前のちん事に遭遇した」と書き出しが始まる。3月1日ビキニ環礁での水爆実験の死の灰を浴びた漁船があった。漁船の乗組員の帰国後、体調不良を訴えるものが続出した。この事の重大性を15日から16日にかけて情報が築地に入り、検査したところ、マグロ類が放射能に汚染されていた。これからの1週間、築地市場をはじめて、日本全国の水産市場に風評被害が続出し、ついには築地市場の水産のセリが中止となってしまった経緯が20頁以上書かれている。築地市場正門わきに原爆マグロの記念碑がある。
 今起きている事がいずれ沈静化した時、東京都中央卸売市場史に必ず、数十ページにわたって記述されるだろう。結末はまだ分からない。
 
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