年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

中韓のキムチ本家論争に日本から参戦 6 日本でのJAS規格論争

2021年01月28日 | キムチ
今回のキムチの中国・韓国の本家論争は中国の国連の国際規格で包采が認められ、韓国がクレ-ムをつけ本家元祖論争がはじまった。日本でも同様の論争があって、農林水産省が農産物のJAS規格として日本国内用のキムチ規格を制定しようとしたところ、本家本元だと韓国から日本の規格や名称のクレ-ムがあった。簡単にいうと、韓国キムチ輸出に占める日本市場が大きく、そこに日本政府が関与し、キムチ規格を勝手に制定されるという事が戦前に併合された記憶を復活させた。そこで今のJAS規格は農産物赤とうがらし漬け類 と名称となっている。日本政府の弱腰と日本におけるキムチ市場の発展史を知らない日本の役人と日本漬物業者の戦後の漬物の歴史無知で決まってしまった。中国のように主張しても良かった気がする。
 国連でもキムチの国際規格が韓国主導で制定されたが、韓国のキムチ輸出は貿易統計上では金額から日本向けが圧倒的に多い。アメリカ向けが昔は多かったがアメリカに住む韓国系の人たちの現地生産が増え、輸送費・時間もかかるので多分これから減る一方と思われる。しかし日本市場は韓国と近いし、特に関釜フエリーで前日夕方韓国プサン港を出ると、翌日早朝に日本に着くので賞味期限の問題が消える。日本での冷蔵庫の入出庫料を節約できる。韓国の工場に出来るだけキムチを保管することが出来る。今度の中韓のキムチ論争は圧倒的に中国から韓国に入る中国産キムチの量の多さから来ている。これは韓国食堂で無料で食べ放題のキムチから来ている。タダの食品は店によって自家製を強調できなければ中国産キムチの表示がないので誰も気が付かない。従って韓国内のス-パ-などは表示されているので、韓国産と区別できるが 食堂では表示が無い様だ。一時韓国に店舗があった日本の牛丼の吉野家は日本では紅ショウガが食べ放題となっているが韓国の吉野家はキムチ食べ放題だったという。一人で食べる習慣のない韓国食堂は吉野家を受け入れることは無く、早々に韓国から撤退した。
 韓国と違って、日本は自然災害の多い国で台風上陸は年に何回かある。そこで物流の一時的断絶がある。
 1995年平成7年1月17日午前5時46分関西で大地震があった。関西淡路大震災の被害の多くは兵庫県だった。西日本と関東の物流が兵庫県で長期間分断された。日本は自然災害が多く、特に小さな地震は毎日日本のどこかである。個別のブランド力がなく、韓国産と言うだけでは競争の激しい、日本の漬物業界では欠品すると他の韓国産キムチに売り場を占拠され、挽回には苦戦する。要は再度低価格で納品しなければならなくなる。その結果デフレの日本だったので、初期は日本人経営の食料品店販売価格が1ビン600円程度だったのが今はプラ容器入りが300円になり、特売では200円が普通となってしまった。多くの韓国系キムチの新規参入者と既存のキムチ業者が共倒れとなった。今日本で販売力のあるキムチ業者はこの混乱を見ていた業者でじっくり研究して、日本のキムチ市場を占拠した。
 韓国のキムチの本家意識がすごく、日本市場で韓国内キムチ生産者の活況を見過ごすことが出来ず、見境もなく日本市場に参入し、自国の良さを強調するがお金を出して購入するのが日本人で品質・価格・鮮度のことで韓国品質をこだわりすぎ失敗する。日本と韓国では漬物に関して、こだわりの差があることを知らない。今の日本は漬物に関して価格しか気にしないバイヤ-が主流となっている。おいしく管理されたキムチ等の発酵食品はそれなりの高価格となる。当然店舗での発酵したキムチの品質維持も経費がかかるので販売か価格が高い。十分なキムチの家庭内品質維持の歴史が無い日本で韓国と同様な管理はあり得ない。韓国にはキムチ専用の冷蔵庫があって、秋に漬け込み発酵したキムチを温度管理し、長期保管できる。狭い日本では無理な話である。江戸時代の下町で練馬から発酵したタクワン漬を定期的に届けるサ-ビスがあった。火事が多く、火災時にタクワン樽を動かせなかったのでいるだけ購入していたようだ。今はこだわりより価格がバイヤ-目線となっている。オンラインでは試食も出来ない。画像と口先説明となる。



7へ続く
コメント
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