日本も中国も韓国もそれぞれの貿易統計(国が関税と言う記録で税金を取る。)で漬物の基準が一定であると勘違いしているライ-タが殆どである。例外は記憶の限りは無い。なぜなら多くの記事を書いているのが男性で漬物を漬けたこともあっても常時ではないと感じる。色々な情報を,集め混ぜ合わせて、さらに地域の特性,気候・時代考証もなく、受けを狙って記事を書く。見ると聞くと読むと実際は異なる。仕事になるとキムチは男にとってつらい。
20年ほど前築地市場で働いていた時、農林水産省から問い合わせが入った。その役人は農林水産省の全国のハクサイ生産量の統計を集計し、分析している人だった。その人の話を詳しく聞くと、どうも漬物業者の生ハクサイ使用量は日本全国の農家のハクサイ生産量を超える数字となっている季節があるという。つまり統計の集計をするとハクサイは生食用は(八百屋やス-パ-での販売)無いという計算になるという。そこで漬物業界の当時のハクサイの漬物の様子を話した。
ハクサイを漬け、製品と出荷して後、売れ残ったハクサイの浅漬にキムチ風のタレを加え朝鮮漬けとして再出荷する例があるという事を教えた。この場合、ハクサイの漬物の目方の計算は2重計上となってしまう。再出荷という業界の仕組みを知ら無かったようだった。今では品質の安定と冷蔵庫の温度管理で発酵の調整が出来る。この様な製造するところはない。夏場の生ハクサイは漬物用が多く、冬は鍋需要が多い。平成24年8月北海道・札幌で漬物業者の高齢者施設に納品した漬物からO157の大腸菌で死者が多数出た。今でもO157による食中毒の死者数の記録となっている。夏場のためハクサイ相場が大暴落した。夏の需要の大部分を占める漬物用ハクサイが全国で嫌われ、農林水産省の緊急支援が出たと記憶する。冬になって鍋重要が増えハクサイ相場が安定した。今でもハクサイの浅漬けにどうして大腸菌O157が入ったかはまだ解明されない。漬物工場と夏季開催のサッポロ競馬場とは近隣である。結局汚染経路は不明で、北海道のハクサイからもO157が検出されず、漬け込みタンクの洗浄不十分とハクサイの塩素系の殺菌剤使用が要請された。水道の殺菌と同じで嫌な臭いがし、今では別の方法で野菜を洗浄している。鳥インフルエンザとか豚コレラの感染拡大を避けるため、車のタイヤが消毒液を貯めた所を走行している動画を見た。当時の競馬場の出入りの車のための設備になかった様だ。
貿易統計でも中国から韓国へ輸出するキムチの統計で目方で見ると圧倒的に中国が世界で一位となる。今でも韓国のキムチ貿易の収支は大幅な赤字である。
また日本のキムチ製造事情を知らない韓国・日本のライタ-は中国から生ハクサイが日本に入り、加工され浅漬けキムチになることを知っているのだろうか。日本のハクサイが高騰した時のために、中国から価格と農薬不使用の契約ハクサイが日本へ入る。しかし日本ハクサイ相場が安い時は違約金を払って、中国で販売してもらって処分してもらう。日本に入れて廃棄すると莫大なゴミ値段と輸送費用、冷蔵庫保管費用が発生する。原料原産地表示がうるさくない時代はこの様なこともあった。キムチのハクサイが日本の製造者の住所でハクサイが中国産とは知ることは無い。多くのハクサイが中国から輸入され、青果市場行きと思っていても時には日本産の住所のキムチとなる。今のPBの食品で販売者表示となっているものが製造者も同時表示に切り替わると、生産者が同じというPBが続出すると思う。安いくて膨大な数量のPBは引き受けるところが少なくなり、商材の数字が落ち目になった商品がPBとなっている。
また目方のトリックもあって、漬物の計量基準が一定ではない。これは漬物業界で無い人には理解しにくい。一例をあげると、築地市場で販売されている紅ショウガとすし屋向けのガリ生姜は内容量の測り方が異なる。焼きそばやタコ焼き用のショウガは固形量と液込み重量が表示されているものが多いがガリ生姜は固形量表示は小さい。昔は金魚と言われてたガリもあった。調味液にピンクのガリが泳いでいる商品を言っていた。今は表示も総重量と固形量表示が普通となった。キムチの貿易統計もどのような基準で集計しているかは通関業者しか知らない気がする。関税の問題で漬物の分類の問題でない。要するに国としては関税の計算の根拠を知りたいため統計しているのすぎない。韓国から日本へ韓国キムチの輸入が急に増えた年があった。後にわかったことは日本の生ハクサイ価格が台風等の被害で急騰し、(圧倒的に販売金額が日本産キムチの方が多い)日本国産の浅漬けキムチ特売企画が無くなり、慌てて日本のス-パ-の漬物バイヤ-がキムチの前年比販売計画を達成するため、韓国キムチの売り場拡大になったようだ。要は韓国のキムチが美味しくて急拡大したのでなく、前年比で漬物販売計画を立てているス-パーの漬物バイヤ-が売り場を天候災害の少ない韓国産キムチに振り向けた。このしわ寄せは韓国国内にキムチが高くなり、(日本向けの方が利益を採れる)そこで安価な中国産キムチを詰め替えて韓国産にして販売したこともあったようだ。産地変更は食の世界では良くある。その理由として天候による突発的で理不尽な変動である。地球温暖化で適地が不適地になることもある。
今度のコロナで生活が苦しくなり、DXの不備もあって給付金で犯罪者が増えた。食の世界の突発の出来事は普段から予想し対策しておかないと、対処の不手際を招く。
9へ続く