年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

雪の印象がある日本史三大事件

2021年04月02日 | 陸軍特別操縦見習士官1期
二月二十六日は雪のイメージがある。桜田門外ノ変、赤穂浪士の討ち入り、226事件。
今年の2月にTVで雪の印象がある日本史の三大事件と言う言葉を知った。旧暦もあるので2月でないのもある。そこで一番詳しく知らなかった226事件をチョット気になった。すると後で反乱軍とされた1500名の歩兵部隊の半分程度が埼玉県出身者であることを知った。そこでこの事情を知ろうとしたら、コロナで図書館が閉鎖で行けず、4月1日に解除となり、予約してようやく都立中央図書館へ行き読むことが出来た。
   雪未だ降りやまず 226事件と郷土兵 埼玉県史
この本が編集されていた時期の埼玉県知事はこの226事件に初年兵で参加させられた歩兵だった。中には召集されて間もなく反乱兵となり、一生の傷となり、この本の手記依頼を拒む人もあったようだ。日本の軍隊もどの国の軍隊という組織は上官の命令は絶対視されていて、上官の命令に従わないと処分されることになっている。ところが226事件に召集間もない初年兵も上官の命令に従って参加したため、226事件の後無罪となっても、軍歴に反乱兵と記録が残り、さらに再度軍隊に召集されても、上官に軍歴からいじめられていたという。旧事件を調べていた憲兵の口調は「上官の間違った命令に服従したお前たちが間違いである。」と言っていたようだ。今の軍隊でもこの様な言い訳が通じるとは思えない。敗戦後、B級C級裁判で上官の命令に従った兵士が死刑になった例もあるようだ。
この本の後書きから戦争が終わって本が編集される時期には200名程度しか埼玉県出身者は生きていなかったようだ。多くは先の戦争で激戦地に意図的に派遣され、さらに汚名挽回という事で率先した身を敵にさらしたようだ。
 手記の中で栗原中尉に関して決して恨んではいない感じがした。初年兵でも栗原中尉の時局の話を聞いていて、反乱軍とされ武器を捨て投降するときの栗原中尉の演説で部隊の全員が泣いたという。
 別冊の記録ではいかに埼玉県の兵隊が貧しかったことを知る。学歴もなく、時には小学校4年位で中退している兵士もいた。埼玉大学教育学部百年史でも、埼玉の貧しさが感じられ、多くは水害とそれの復旧工事で予算が消費され、一般の農民まで恩恵がいかなかった。
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