年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

条約改正と監獄整備

2021年06月29日 | 福神漬
随分昔の話だが大学で刑事政策を学んでいた。その時、日本の牢獄の環境問題で条約改正が難儀したという事を学んだ。そのことを調べていたら、横浜開港資料館の記録があった。2002年(平成14年)10月
開港のひろば から
明治の10年代に監獄の建設が急務となったもう一つの理由がある。条約改正である。幕末に日本が西洋諸国と結んだ不平等条約が改正されると、領事裁判権が廃止され、一般の外国人にも日本の裁判権・警察権がおよぶことになる。つまり、外国人の犯罪者も日本の刑務所に収監されるのである。そこで日本が人権にも配慮した近代的な法治国家であることを諸外国に示すために、「牢屋敷」の改善は外交上の観点からも急務となった。日本の風俗の西洋化を示すため日比谷には鹿鳴館が造られたが、この時期、日本各地に新たな監獄が建設され、近代的法治国家としての態様を条約諸国に示したのである。
 カルロスゴ-ンさんが日本で長く拘留されていた時、欧米と日本の刑事司法制度が異なるという事を感じていたが明治の時も秘かに問題となっていた。
 河鍋暁斎と梅亭金駕の暁斎画談はこの条約改正の領事裁判権問題の渦中で出版計画が進んでいた。このことは研究誌暁斎にはまだ書かれていないようだ。
 
 政府に都合の悪い人物はどの国でも投獄するのが基本となっている。しかし、近代化国家では親族等の情報から投獄の中の状態が外部に知られ、不法な部分を報道されるようになった。それぞれの国には拘禁・監獄の生活の長い歴史があって、日産のゴーンさんのような問題はその国の人権の歴史観を表している。中国共産党100年ということで、記事を読んでいたら、日本へ留学していた中国留学生の人たちが創立時に多数いた。どうもロシアから共産主義を入れたのでなく、日本で翻訳変換し、中国にあった様に直したようだ。中華人民共和国という言葉で、中華以外は日本で作られた漢語のようだ。今の中国の言葉の半分以上は日本で作られた和製漢語という。100年前というと大正10年頃である。関東大震災前で、社会主義等の弾圧が激しくなる前だった。香港・と中国の今の警察官僚の行動は明治・大正・昭和の日本の治安維持方法を研究しているように思える。

 参考 刑事政策とは、刑事法にまつわる諸政策、またはそれを論じる学問。 より具体的には、犯罪の予防・対策などを、中心に立法や実務の動向を考慮した上で研究する。 矯正政策、被害者学などもその範疇に含まれる。 刑法が犯罪論を対象とするのに対し、刑事政策は刑罰論を対象とする。


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