一区切り・・・・

以前にちらりと書いたかも知れませんが、今年の初めから、
本社の常務の元で、一人『ゲリラ活動』をしていたのですが
その区切りとしてのプレゼンテーションが終わりました。

この『ゲリラ活動』
かねてから僕は、自分の会社には「デザイナー」が居ないと思っていました。
「デザイナー」というと、どうしても形を作ることばかりに気が行って
市場で要求しているもののリサーチや、ユーザビリティなどを忘れて
形ばかりを追い求めてしまう傾向がある。

我社のような製造業は「プロダクトデザイン」という分野になるのだけれど
それもユーザーが本当に欲しがっているものばかりではなく
ユーザーに新しいものを供給する「市場デザイン」も大切なのです。

得てして、「素人が考えるもの」と馬鹿にしがちなのだけれど、
逆に素人だからこそ、従来の考えに縛られないことが発想できる。
AppleのIpadやIpodは、その典型で
『こんなものが欲しい』というものを作り上げ、市場に供給した。
その結果、いまやスマートホンやIpadは誰でも簡単に扱うものとして
そのアプリケーションも含めると、巨大な市場と化した。

どんなものを市場に送り出したいのか？
そのためには何が必要か？・・・・・を、
例えば人間工学的だったり、直観的なものだったり、
それを作る際に如何に簡単に安く作るための構造を考えたり、
そのためには色んなことを調べて勉強しないとならない。

この数ヶ月、そんな話を僕の母校のデザイン学科で話をしてきたのです。
たまたまデザイン学科の学科長が僕の同窓生で、
日産のデザインで「フェアレディZ」や「スカイライン」「シルビア」といった
バブル期の高級スポーツカーをデザインしてきた経歴があり、
なおかつ実家が目と鼻の先だと言うこともあって、
僕が酒を飲もうと誘い出して、二人でデザイン論を交わしたことから
話を持ちかけて、彼が乗ってきたと言うのが経緯。

その話を常務が「面白いからやってみろ」と後押ししてくれて
学生に我社の製品をイメージしたものを考えさせると言う
企画を進めてきた。
あくまで僕と常務の独断でやっている『ゲリラ活動』だから、
僕は休暇を使って、母校へ出向いたりしてきたのです。

正直言って、今日の学生によるプレゼンテーションの作品は
製品にするには難しいものばかりだったけど、
それでも、今後の商品開発のヒントになるものが沢山あった。
僕には新鮮で刺激があって、凄く楽しかった4ヶ月でした。
これで、また楽しいことが終わっちゃった。
一区切り・・・・ってところです。