知人から案内をいただいて国立新美術館で開催されている『第7回 白峰社書展』に出かけてきた。
この日は、初日とあって美術館には、予想以上の観客で賑わっていた。
白峰社書展には、これまでも国立新美術館や銀座ギャラリーなどに毎年出かけ鑑賞しているが、
今回も大作や公募作品など440点の作品が出展されていた。
書道には、全く縁がなく造詣もないが、画などと同じように 一つのアートの『書』として、鑑賞している。
書道には、漢字・かなの古典的な書道から近代詩文の現代書、前衛書など様々な書風があり実に奥が深いようだ。
今回は、知人が「大賞」を受賞されたと聞いていたので、特に、関心をもって鑑賞させてもらったが、
詩文や文字の流れ、墨のにじみなど洗練された書風にただただ感嘆しつつ、その美しい表現はさすがである。
しばし、作品に見惚れながら作成過程のご苦労や題材について説明を伺いながら、そこに人柄が滲んでいるのを感じていた。
広い会場には床から天井までの超大作には、書体とともに圧倒されるものを感じた。
丁度大作を書かれた作家を紹介されて、苦労話を聞いたが、体育館を借り切って書き、観客席から作品を確認されたそうだ。
書道は中国に始まり、漢字文化圏にのみ存在する芸術だと思うが、最近の書道展で見る「書」は実に様々である。
我々には、いつも書の見方に戸惑い、その良さが見る方にとっては主観的なものとなるが、
画と同じように直観的に受ける要素が大きいと思う。
また、前衛的な書も多く展示されていたが、その文字体の形や書面における白の空間とバランスが重要な要素だそうである。
画と同じように、『書』のある暮らしには、心の余裕が生まれてくるし、現代のストレス社会では、
非常に重要な『間』を与えてくれると感じている。
知人から送られた自分の生活に活気を与えてくれる『 はしる 』は、宝物である。