今春2年ぶりに実施された「全国学力テスト」の調査結果が、文部科学省から公表されたが、その分析結果や県別ランキングなどに注目すべき点が多いようだ。
今年度も、小学6年生と中学3年生が対象となって、国語、算数・数学に新たに理科が増えて実施されたそうです。
報道によると、都道府県別ランキングでは、今年も秋田県・福井県・石川県・富山県などと続き、上位県は大きな変化はなく、我がふるさと福井県も例年通り秋田県に劣らぬ成績だったようだ。
ただ、以前の全員参加方式から約3割を抽出した方式に変わっているので、抽出率が低いために、正確な比較はできないようであるが、今後の指導への大きな課題が表れていることは否めないようである。
各教科に共通するのは、知識度合を見るA問題では、正答率が60~80%と高い率に対して、資料から自分の考えをまとめたり論理的に記述する応用力を見るB問題では、非常に正答率が低いのである。
今年度の理科の問題に対する傾向に興味を持っていたが、やはり最近の理科離れの傾向が表れているようで、科学に対して興味や関心度を高める教育のあり方に課題があるようだ。
また、調査では、意識調査や生活環境調査も行われたようで、中でも子供の生活環境の要因が最も影響しているのではないだろうか?
我が故郷でも、3所帯家族が多く、朝の朝食から帰宅後の学習環境などいつも家族と接しながら遊びや学習する習慣が、都会っ子と比較してかなり異なるようである。
我が地元の小学校では、抽出校になっておらず今回の調査対象になっていないが、近隣の子ども達の生活習慣とは大きく異なっているようで、放課後子ども教室などの実態を見ていると理科教室も指導員の確保が難しく開かれていない。
調査への参加率も都道府県により大きなばらつきが見られ、いかなる理由か不明だが、全国統一して実施し、指導体制の改善につなげて欲しいものだ。
また、学校の指導体制でもふるさと福井県などでは、かなり教員の意識が高く指導方法などに努力されていると聞く。
一方、都会圏の教育現場では、いじめ対策やモンスター・ペアレンツなど教科以外の課題が多く、教科指導へ充分に配慮できない面もあるようである。
理系の管理者などから見ると、覚える学科より目の前の科学的事象を見て、「何故その現象が起きるのか」、「この物質に秘める特性を知る・・・」など、新しい発見の喜びを知り、探究心や応用力を高める指導を高めることが、科学技術立国の日本に必要な人材を育てることになるもので大変重要なことである。
全員参加方式は、数年に一度実施するというが、毎年全員参加で実施し、各市町村や学校が課題を見つけて、適切な対応を実施すべきであろう。
【添付表は、47NEWS Web より引用】