いよいよ来年度からスタートする『裁判員制度』の裁判員候補者への通知書が、直接最高裁判所から送付されたようだ。
この制度のスタートには、関心をもって関係資料や報道を見ているが、残念ながら国民への周知は充分とは言えないようである。
コールセンターには、問い合わせが殺到しているそうで、その多くが辞退に関してのもののようである。
そもそもこの制度の趣旨・目的が、 『国民の法律に対する関心を高めること』、 『国民の司法に対する信頼の向上』であると理解しているが、現状では国民の意識との差は非常に大きいのではないだろうか
PR資料などで感じるのは、裁判員が被告人を裁くように受取られているのではないかと思う。
裁判員は、あくまで検察官の示す言い分が、法律家の視点だけではなく、一般市民の視点から、良識に基づく判断をすることだと考える。
しかし、この制度に対する意識調査の結果を見ると、参加したくないという意見が8割近いようだ。
ただ、『一般市民の常識・良識に基づいた審議をして判断をする』という事が、本当に全裁判員にできるのだろうか?
今の社会では、あまりにも常識の欠けていると思われる人達が多すぎるように思う。
そのような中から選ばれた裁判員によって、良識ある審議をし、判断が下せるのか非常に疑問が残るところである。
裁判員を選任する方法は、くじで選ぶようであるが、本当に適切な人選がされるか疑問である。
アメリカや他の国の陪審員制度の例もあるが、今の日本の土壌では、時期尚早のような気がしてならない。