575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

春の水とは濡れてゐるみづのこと  長谷川櫂

2006年01月08日 | Weblog
先日の句の本歌ではなく、本句は、
長谷川櫂さんの

 春の水とは濡れてゐるみづのこと

でした。

この句は、西脇順三郎詩集のなかの「雨」という
詩からインスピレーションを受けたそうです。
  
    雨

 南風は柔かい女神をもたらした
 青銅をぬらした 噴水をぬらした
 ツバメの羽と黄金の毛をぬらした
 潮をぬらし 砂をぬらし 魚をぬらした
 静かな寺院と風呂場と劇場をぬらした
 この静かな柔かい女神の行列が
 私の舌をぬらした

  


 春の水とは濡れてゐるみづのこと

一人の作者が、一生に、一つか二つしか出来ない句で、
パクッテも決して成功しないそうです。

             遅     





 

   
コメント (9)
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