575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

梅匂うこっそり置いた未練かな  えみ

2018年03月06日 | Weblog

こっそりと置かれた梅の花。
花は見えませんが、たしかに匂っています。
それを未練を置いた、と表現しました。
あるいは、置いたのは文だったかも。
梅の花に託した思い。恋の句ですね。

 春の夜の闇はあやなし梅の花 色こそ見えね香やは隠るる

春の夜の闇によって梅の花の姿は見ることは出来ない。
しかし香りまで隠すことは出来ない。
闇のなかにも梅の花は咲いているのだ、という歌。
作者は凡河内躬恒。

夜の梅を詠んだ歌は近代にも。

 ひとまおきてをりをりもれし君がいきその夜しら梅だくと夢みし

与謝野晶子の恋の歌です。

この句は、こうした恋の歌の伝統のうえに詠まれています。

     遅足


コメント
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