575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

梅の花巡る子蜂や光源氏   等

2018年03月07日 | Weblog

梅の花を巡っている蜂。それを好色な光源氏に喩えました。
このように読むと「子蜂」ではなく「小蜂」が良いと思います。

好色はいまでは余り良い意味で使われていません。
しかし源氏物語の世界には、男女が情を通わせるのは
美しいと考えられていたようです。

平安時代といえば、先日訪れた京都の相国寺にある林光院。
ここに鶯宿梅(おうしゅくばい)という梅の木がありました。

今から千年ほど前、村上天皇の時代のこと、清涼殿前の梅が枯れたので、
紀貫之の娘の家にあった梅を移し植えたところ、枝に一首の歌が。

 勅(ちょく)なればいともかしこし うぐひすの宿はと問はばいかが答へむ

天皇の御命令なので致し方のないことではありますが、鶯がやってきて、
私の宿はどこへ行ったの?と問われたら何と答えたらいいのでしょう?

これに深く感じた天皇は梅の木をお返しになり、以後、この梅の木は
鶯宿梅と呼ばれるようになったとのこと。

千年ほど前のお話で、梅の木も何代目かに当たるそうですが、
香りもすぐれ、白または紅、あるいは紅白まじった花が咲くそうです。
私が行った時は、まだ一、二輪ほどの開花でした。(遅足)
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