575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

はこべらの小さき花やウクライナ  佐保子

2022年04月14日 | Weblog

数か月前にはまさかウクライナが俳句に登場する世の中になるとは思いもしませんでした。2月24日のロシアのウクライナ軍事侵攻以来、報道を見る度に人類の繰り返す愚かさと恐ろしさにやるせない気持ちが募ります。はこべらの花は小さくてはかなげですが、春の七草のひとつ「はこべら」には意外に強い生命力があるような気がします。この地上はつながっているのに、どうしてこのような侵攻が起きるのでしょうか?

佐保子さんが足元にみつけたはこべらの小さい花。ウクライナの人への祈りの俳句だと思いました。

選句された郁子さんも「ひとつひとつの花がちいさな白い粒のようにみえるこはこべは、よく見るとさらにちいさい花弁をきっちり広げている。野に咲くひかえめな花とウクライナを重ねたのでしょうか。けっして儚くない主張のある野に咲く花。」というコメントを下さいました。

      寝もやらず燃ゆるキエフの春願う  

同じくウクライナのことを詠まれた紅さん。ウクライナの首都キエフがウクライナ語の「キーウ」に呼称が変わってしまいました。寝もやらずという表現に緊張感がみなぎる秀句だと思いました。

殿様:通俗的になりがちな時事句を「寝もやらず」眠ることもできないという古語により品位を保ち簡潔にまとめています。世界を見据え、多くの読み手の共感を得る佳句。

亜子さん:今の思いをよく詠んで下さり感謝します。ウクライナのために何もできないやるせない気持ちでせめて募金でも思っています。

千香子さん:現代の戦争に勝ちも負けるもない。1日も早く終わることを願う。

          ★★★

映像を見るとまだまだ凍える寒さのようなウクライナ。今後どうなって行くのか。連日の報道にもう悲惨な映像を見たくないという気持ちも起きて来ます。それではいけないのでしょうが、本当の春が来る日を願ってやみません。麗子

 

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