結婚の祝い事などに重宝する縁起の良い飲みもの桜湯
今満開の八重桜の花の塩漬けを使います。
作者の須美さんは
「桜湯は桜の華やかな香りはあるものの、見た目と違い塩味でふと明日からの人生を思う」と実際に飲んでみての違和感を巧みに句にされました。
皆さまからのコメントです。
殿さま: 桜湯は祝い事の席で喫します。しかし中七の「塩気」によりかすかに否定された感。作者の思う明日。春の憂いが漂います。
紅さん: お祝い事に用いられる桜湯。その幸せを口にした時、塩気にハッとする。 奥行きの深い句だと思います。
晴代さん: 塩気を感じる明日、ぴりっといきましょう
春爛漫。いつもなら浮かれ気味のこの季節ですが、どうもそんな気分になれないのがウクライナの侵攻と予断を許さぬコロナ感染状況ですね。
そのうち終わるものと楽観し、あえて目を伏せ楽しみに興じているうち、取り返しのつかないことにならないか。違和感が日ごと募ってきています。小さな違和感やひっかかりを見逃さず暮らしたいものと思います。
今月の兼題は「長閑」です。こんな句を見つけました。
のどかさの風鐸空に壊れおり 爽雨
風鐸とはお寺の軒や高い塔に吊り下げられた青銅製の鈴のこと。強い風が吹くとカランカランと音をたて、飛んでくる「災厄」や「疫病」を祓う役目があるのだとか。
その風鐸が壊れている?・・と思うと、少し心配になる「のどかさ」と言えそうですね。( 勝手な解釈ですみません )ここは大いに打ち鳴らしたいところです。
四月句・発表は20日です。どうぞお楽しみにしてください。 郁子