575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

遠山のいよいよ遠く梅雨に入る  亜子

2023年07月06日 | Weblog

「いよいよ」という副詞は「より一層」という意味があります。使えるようでなかなか使えない言葉です。

マンションの9階にお住まいの亜子さん。ベランダから名古屋のビル群が見えますが、お天気がいいとそのビルとビルの間に遠くの山並みが見えるそうです。お天気が悪いとその山は見えない。雨の時期を迎えその山が見えないと梅雨に入ったんだな~という思いを強く抱かれるそうです。そんな日常の気づきを俳句にされました。

竹葉さん:曇天で霞む様子を「いよいよ遠く」という表現はなかなか思いつかないけれどとてもしっくりしていいと思います。

容子さん:雨にけむった山のグラデーションが見えるようです。

晴代さん:梅雨にけむる山をいよいよ遠くと表現がよい。

    ★★★

「遠山」と「いよいよ遠く」が響きあい、雨にけむる遠山の様子をこんな風に詠めることに感動しました。

亜子さんは以前、いい俳句とは

①美しい日本語であること

②一読して意味が分かること。

③読めば読むほど味わいがあること

とおっしゃっていました。亜子さんのこの句はまさにこの三つを含んでいると思いました。麗子

 

コメント (1)
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