夏休みです。受験生にとっては勝負の夏と言えるかもしれません。
それだけにこの時期の保護者会、個人面談はなかなか緊迫したものがあるのではないでしょうか。
親の気持ちが日傘をたたむ仕草に現れている一句かなと思いました。
容子さん:「保護者会」と「きりり」と「黒日傘」がセットですね。緊張感、期待感が伺えます。
能登さん: 作者の心意気を感じます。
麗子さん: 大きな何かと戦う日なのか、「キリリと」と「黒日傘」の黒にただならぬ意気込みが!ちょっと緊張する保護者会。中七の「きりりとたたむ」にこれから始まる保護者会への覚悟が見える。黒日傘もよい。これが白日傘なら優雅な会になってしまうでしょう。
晴代さん: 「きりりとたたむ」に何故かどんな保護者会か気になりますね。パワハラか暴力か、、、
亜子さん: 具体的な句。保護者会がこれから始まる。何か心に期するものがあるのか。心の内を「きりりとたたむ」で表現しているところがよい。
白日傘丁寧に閉づ妹の墓前 童子
こちらの日傘は「丁寧に」閉じます。しゃがんでお数珠の手を合わせるのでしょうか。
線香の香、蝉の鳴き声まで聞こえるようです。
須美さん: 白日傘は丁寧に閉じたい。妹の墓前が切なく感じる。
能登さん: 「丁寧に閉ず」で空気感が伝わります。
千香子さん: 自分より下の子が先に亡くなるのは 辛いものです。丁寧に という言葉に気持ちが表れていると思いました。
佐保子さん: 字余りが、気になりますが、妹の墓参りに白い日傘を静かにたたむ情景がいいですね。妹か、丁寧のどちらかを取ったらどうでしょう?
読み手それぞれの静かな刻、情景が浮かび上がります。
昨日と今日 日傘を閉じる句を紹介しました。
炎天下であったり、保護者会や墓前であったりと いろいろなケースがありましたが、
共感するからこそ、鮮やかな瞬間が体験したかのようにこころに刻まれるのでしょうね。
これこそ俳句の魅力と可能性です。
今回、日傘の兼題を考えてくださった能登さんは、日傘を閉じるこの三句を全てとられました。 郁子