575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

零れ梅見つかった   鳥野

2009年03月24日 | Weblog
「零れ梅」という雅な言葉があります。
広辞苑によれば、「咲きこぼれて散る梅花、またその模様」と出ています。

歳時記は、と見てみても、当方手持ちのものには、どれも載っていません。

ワタシの捜している物は違うのです。時々、人に尋ねても「さあ」。

食べ物が不足しがちだった子どものころ、祖父が小さく握って食べさせてくれた懐かしい味。

ほろりと甘く、どこかナイショめいた美味。うっかりすると、掌の上でくずれてしまいました。

あれはいったい何だったのか、分らずしまいだったのに、ネットは賢い。

「味醂の絞り粕」と教えてくれました。

餅米を天然発酵させ、焼酎を加えて醸造した味醂を、丁寧に絞ったもの。
なるほど、伝統の自然食。上質のおやつだったのです。

酒造の町としてアピールしている伊丹市では、JR駅構内の観光物産ギャラリーで、売っているとか。ネットでも買えるみたい。素朴な味にもう一度、出会えそうです。


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2 コメント

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一度たべてみたい。酔っぱらうかな (ひまじん)
2009-03-24 18:19:18
伊丹の名物といえば、「こぼれ梅」。古くから酒の町であり摂津の国伊丹は江戸時代直前から江戸中期にかけて酒の銘醸地として全盛を誇ったところです。

 この地が寛文6年(1666)に公家の近衛家領となったことがあります。近衛家は積極的に酒造業を保護育成し、文政7年(1824)には「大坂御用酒詰替所」という名称で、京都や大坂で、「御用酒」のお裾分けをするという名目で販売を実施して、江戸での販売減を補おうとしたそうで、その量はかなりのものとなっていたといわれています。
 このように古くから酒づくりの伝統のある伊丹で生まれるのは酒の副産物である「酒粕」だけでなく、醸造業者のみりんのしぼり粕(かす)も生まれました。

「こぼれ梅」はみりんの絞り粕で、その芳じゅんな酒の香りとほのかな甘さが特徴。清酒醸造が盛んだった江戸後期の伊丹を中心に生産され、素朴な菓子としてもてはやされました。
今ではJR伊丹駅構内の観光物産ギャラリーほか、伊丹市内で数店の酒店で販売されています。伊丹ッ子なら話題として伊丹名物である「こぼれ梅」を一度は口にして味わってみてください。

 率直な意見として、実際に食べてみた個人的な感想になりますが、その味はちょっと甘い酒粕のようで、私には特に美味しいものとは思いませんでした。

 しかし伊丹市内の某レストランでは酒粕を使ったピザのメニューもあり、「こぼれ梅」もうまく食材レシピとして現在風に活用されれば独特の風味を生かしたすてがたいものになるかもしれません。

 ともかく正真正銘の自然食品であり、こぼれ梅の正体は味醂(みりん)の絞り粕そのものですから今盛んに言われるリサイクルや環境の点からも無駄のない再活用の食品で、甘いものが乏しかった時代の智恵を感じます。

 とくに「伊丹名物のこぼれ梅」を有名にしているのは上方落語であり、落語のネタとして落語ファンの方なら実際どんなものか知らなくてもこの名前だけはご存知かと思います。今は亡くなられた伊丹出身の桂枝雀師匠の十八番の一つ落語「鷺とり」にも出てきます。
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ありがとうございます。 (遅足)
2009-03-24 19:45:38
とても勉強になりました。
関西に行ったら味見したいな。
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