575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

中日歌壇より 2月16日

2020年02月16日 | Weblog
今朝の中日新聞、中日歌壇に
遅足氏の歌があります。

島田修三先生 選
自画像の寒夜の瞳かがやかす百年前の日本のひかり

評 大正時代。後に名を成す若い画家の描いた
  油絵の自画像を想像した。自画像には
  瞳に輝く寒夜の灯も描かれている。
  それを「百年前の日本のひかり」とする表現、
  鮮やかに決まった。

おめでとうございます。
初句会で、宗匠の「自画像の瞳の中の寒夜の灯」
をふくらます素晴らしい歌です。
この句から、句会のメンバー千香子さんが
麗子像を見事に連想されました。
没後90年岸田劉生展は、名古屋市美術館で
3月1日まで。
まだ間に合います。
日本のひかりを感じに行きたくなりました。
郁子

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さざなみを空にひろげて春隣   遅足

2020年02月14日 | Weblog

ついにコロナウイルスによる死者が判明・・・。
ニュースが広がっていきました。
ウイルスの上陸は思ったより早かったようです。
水際作戦では防ぎきれませんでした。

検査をするキットも足らず、各地で小さな流行。
そして・・・。

あわてても仕方はないのですが、
どうしたら良いでしょうかね?
十分に眠り、よく食べる。
一日一日を楽しむ。
年寄りにはこれしかないかも。これで十分か。
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客船に 一夜官女の 悲嘆かな <殿>

2020年02月13日 | Weblog


大阪淀川区にある野里住吉神社。
昔、野里は天災が多く疫病が蔓延。
そのため神事「一夜官女」<いちやかんじょ>が生まれたといわれています。
伝承では石見重太郎という武士が災いの狒々を成敗して終わっています。

横浜港の客船。
疫病に囚われたがごとく。
とまれ、一刻も早い解決に期待します。
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夫の息 聞いて安堵の 寒夜かな  郁子

2020年02月12日 | Weblog


歯ぎしり。鼾。無呼吸症候群・・・。
お隣で寝ている夫の様子が気になってきた年齢。
今夜の夫はスヤスヤ、と健康的な寝息です。
安心して眠りにつきます。

昨晩、私は大声で叫んだそうです。
しかも2回も。
びっくりした妻を起こしてしまったようです。
「どんな夢みていたの?」
と聞かれても・・・。

枕のくぼみに何か手掛かりは残っていないでしょうか?

 春の夜の枕に残ることの葉は壊れし夢か ああああああああ!

                      遅足


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一枚の木の葉となって待っている   遅足

2020年02月11日 | Weblog


8日は77歳の誕生日でした。
喜寿です。よくここまで、という気持ちです。
奥さんの手作りの夕食。アルコール抜きです。

このあとは何を待っていたらいいのでしょうね?
もうすぐ春です。
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2月句会が近づいてきました。   遅足

2020年02月10日 | Weblog



今回の題詠は「春隣」(はるとなり)
冬も終わりころになると、寒さが緩む日が増えて、
春の訪れを感じることが多くなります。

時間を修飾する比喩には、空間を表現する言葉が流用されます。
したがって春の隣は春が近いということ。
よく似た季語に「春近し」があります。
「春隣」はそれよりも近く、手の届くところまでという感じでしょうか。

  春隣闇がふくらみ来たるなり  柴田白葉女

  叱られて目をつぶる猫春隣  久保田万太郎

  河馬あくび河馬の子あくび春隣  河野美奇

皆さん、どんなところに春を感じとっているのでしょうか?
どんな句が集まるのか、楽しみです。

今朝も名古屋は寒かったです。あさってからは雨。
暖かくなるとの予報。春隣です。もう少しの辛抱・・・。


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宛名なき 恋文眺む 春隣 <殿>

2020年02月09日 | Weblog


恋の手紙を書きました。
まだ、宛名がありません。
心がゆれ動きます。
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寒夜なりカーテンよせて 星二つ  佐保子

2020年02月09日 | Weblog


閉めたカーテンの隙間から覗く星二つ。
何気ない日常の一コマ。
しかし冗漫な語句がなく17音がすべて機能。
シンプルですっきりとしたプレーンな佳句。
と、殿様の鑑賞。

下五の「星二つ」をどう読むのか?
簡潔なだけに意味がありそうです。遅足
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終活の話題の尽きぬ卓 寒夜  千香子

2020年02月08日 | Weblog
「終活」とは、「自らの人生の終わりに向けた活動」の略。
自分が亡くなった際の葬儀、お墓、遺言の準備や、
財産相続、身の回りの生前整理などを行うことを指します、と
ウイキペディアにあります。

この言葉が人々の心をとらえるようになった背景には
家族関係の変化があります。
お墓や葬儀をどうするのか?
父の時には、大筋は決まっており、予算を考えるくらいでした。
今では、妻は無宗派葬、夫は仏式など一家のなかでも多様化。
お墓をどうするのか?ということも話し合っていけば・・・
夫婦、親子で違う時代です。
でも、ある意味で面白い時代ですよね。
話題は尽きません。遅足
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車椅子毛布に巻かれゆく寒夜    等

2020年02月07日 | Weblog


寒い夜をゆく車椅子。
人の姿ははっきりとは分かりません。
まるで毛布にくるまれた車椅子が行くようです。
急病なのか?急用なのか?
お年寄りなのか?男なのか?
細かいことは一切書かれていません。
読者の想像力に任されています。

わたしは母を思い出しました。
星空を車椅子にのって飛んでいく姿です。遅足


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足裏に老いしのびよる寒夜かな  亜子

2020年02月05日 | Weblog


高齢になるほど手足が冷えます。老いの証。
そうです。老いは、しのびよる、のです。寒夜に。

私も冬には「血行障害」で足の指が腫れ、痛みます。
本当にイヤです、と等さん。

私も靴下の厚いのを履いて寝るのですが、
それでも冷えてくることも。遅足     

「足裏に 老いさざなみる 寒夜かな」
殿様の一句。おもしろいですね。
「さざなみる」って言うかな?
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立春の卵立ちたる夫婦かな  小宮山政子

2020年02月04日 | Weblog


子供のころ「立春には卵が立つ」と聞き、試してみました。
ころがってばかり。失敗の連続、全然たちせんでした。
なかには成功した人もいたとか。

この話の震源地は中国。戦後まもなくのことでした。
新聞は「卵が立つ 上海 実験で大にぎわい」と報じたそうです。
これが日本でも評判となり、私も何年かあとに真似事を。

それから70年。今年の立春にはコロナウイルスの爆発的な感染。
卵を立てて遊ぶほうが罪がなくて良いですよね。遅足
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窓開き 寒明けの空 招きいれ <殿>

2020年02月04日 | Weblog


寒明けとは、二十四節気における立春のこと。
2020年は2月4日です。
ちなみに、1月2日から2月3日までが大寒。
しかし、今冬は気温が高く実感が伴いませんでした。

ところで、大寒の卵は大寒卵という縁起物。
健康運と金運が上昇するといわれています。
大寒卵も恵方巻きのようなブームが訪れるかもしれません。



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寒夜20ワットに揺れる天井  結宇

2020年02月03日 | Weblog


20ワットの電球。昔の裸電球でしょうか。
寒い夜。誰かが触ったのでしょう。
地震でしょうか。揺れています。
天井が揺れているように見えました。
この句、575の定型を破っています。
それが不安感をかもし出すことに成功しています。

子供のころは白熱灯だけでした。
それに蛍光灯が加わり、さらにLEDも。
3種類の電灯を使い分ける贅沢な世の中です。
省エネで寿命の長いLED電球。
蛍光灯よりらに明るくなりました。
部屋から闇が消えてしまったようです。

鬼には闇が必要。
豆まきには蛍光灯やLEDではなく
20ワットの裸電球が似合いそうです。遅足
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すが漏りに 並ぶバケツや 四拍子 <殿>

2020年02月03日 | Weblog


すが漏り 屋根の凍った水が室内に侵入し溶けて起こる雨漏り。

老朽化した荘川の山小屋。
今年は可愛らしい氷柱が数本。
しかし、窓辺の近くで雨漏りが発生。
バケツを用意しました。
小さなバケツは高い音。
大きなバケツは低い音。
リズムはまるで四拍子。
しばし、バケツの五重奏に聴き入る春待つ日。
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