13:娘日時計 午の刻
午ノ刻(十二時)湯上りの図である。
無線摺りにした顔の輪郭に本図では目鼻の線も殊更に淡くひいてある。
娘日時計の五枚の構図はみな女二人の七分身でまとめられているが、構図や配色の点ではこれは一番まとまっているようである。
かきあげられた髪、一人は立ち姿で耳もとのしめりに手拭をあて、一人はしゃがんで朱唇に糠袋をくわえながら手拭をしぼる-それぞれの仕草にも無理がない。
※喜多川歌麿
江戸時代の日本で活躍した浮世絵師の代表的な一人。
姓は北川、後に喜多川、幼名は市太郎、のち、勇助(または勇記)と改め、名は信美。
初号は豊章といい、歌麻呂、哥麿とも号す。
通常は「うたまろ」と読むが、秘画本には「うたまる」としているものもある。
俳諧では石要、木燕、燕岱斎、狂歌名は筆の綾丸、紫屋と号して、蔦屋重三郎とともに吉原連に属した。
国際的にもよく知られる浮世絵師として、葛飾北斎と並び称される。
繊細で優麗な描線を特徴とし、さまざまな姿態、表情の女性美を追求した美人画の大家である。
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