深夜特急〈3〉インド・ネパール (新潮文庫) | |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
【一口紹介】
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
風に吹かれ、水に流され、偶然に身をゆだねる旅。
そうやって〈私〉はやっとインドに辿り着いた。
カルカッタでは路上で突然物乞いに足首をつかまれ、ブッダガヤでは最下層の子供たちとの共同生活を体験した。
ベナレスでは街中で日々演じられる生と死のドラマを眺め続けた。
日々を過ごすうちに、〈私〉は自分の中の何かから、一つ、また一つと自由になっていった―。
【読んだ理由】
今度9月に友人をインド・スリランカを旅することになったので。
【印象に残った一行】
皮膚の色が濃くなれば濃くなるほど、身なりがみすばらしくなっていくのだ。それは残酷なくらいはっきりしていた。皮膚の色と服装のよしあしとの間にはかなり深い相関関係があるようだ。
ある時、キャロラインが。なぞなぞでも出すような調子で質問してきた。英語やフランス語やたぶん中国語や日本語にも会って、ヒンドゥー語にない言葉が三つあるが、それが何かわかるか。私が首を振ると、キャロラインが教えてくれた。
「ありがとう、すみません、どうぞの三つよ」
この三つの言葉は、本来は存在するのだが、使われないためほとんど死語になっているという。使われない理由はやはりカーストにあるらしい。
【コメント】
インド旅行の参考になった。
久しぶりの沢木作品ではあるが人を引き付ける筆致はさすがだ。