佐々 涼子 紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている (2014-06-20) [単行本] | |
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【一口紹介】
◆内容紹介◆
知っているようで知らなかった「紙」の価値をあらためて知ることのできる感動的な一冊
中江有里(女優・脚本家)
「この工場が死んだら、日本の出版は終わる……」
絶望的状況から、奇跡の復興を果たした職人たちの知られざる闘い
「8号(出版用紙を製造する巨大マシン)が止まるときは、この国の出版が倒れる時です」
――2011年3月11日、宮城県石巻市の日本製紙石巻工場は津波に呑みこまれ、完全に機能停止した。
製紙工場には「何があっても絶対に紙を供給し続ける」という出版社との約束がある。
しかし状況は、従業員の誰もが「工場は死んだ」と口にするほど絶望的だった。
にもかかわらず、工場長は半年での復興を宣言。
その日から、従業員たちの闘いが始まった。
食料を入手するのも容易ではなく、電気もガスも水道も復旧していない状態での作業は、困難を極めた。
東京の本社営業部と石巻工場の間の意見の対立さえ生まれた。
だが、従業員はみな、工場のため、石巻のため、そして、出版社と本を待つ読者のために力を尽くした。
震災の絶望から、工場の復興までを徹底取材した傑作ノンフィクション。
◆著者について◆
佐々涼子
1968年生まれ。
早稲田大学法学部卒業。日本語教師を経て、ノンフィクションライターに。
新宿歌舞伎町で取材を重ね、2011年『たった一人のあなたを救う 駆け込み寺の玄さん』を上梓。
2012年『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』で第10回集英社・開高健ノンフィクション賞を受賞。
【読んだ理由】
新聞の書評を見て。
【印象に残った一行】
「それでもね、ひどいもんをいっぱい見ましたよ。報道では美談ばかりが言われるけど、そんなもんじゃない。人の汚いところをいっぱい見ました」
自然災害で店が壊されてしまったのなら、それは運命とあきらめもつくかもしれない。だが津波の被害は免れたのに、この店は人間の力で壊されたのだ。窃盗犯の顔をみれば、唇にうっすらと笑みすら浮かんでいる。
【コメント】
人間は災難に屈せず立ち向かって行く素晴らしい者なのか、遺体の指先を切り取って貴金属を取る者なのか?この様な二面性を持った者なのか?