酒気帯び運転騒動で揺れるアルビレックス新潟。
だが、見るべきところをきちんと見ている人たちの発言は、私たちを勇気づけてくれる。
元ゴール裏コールリーダーだった浜崎一氏は、あるコラムで次のように語っている。
この騒動下で水戸戦で完勝したアルビレックスの選手たちに最大限の拍手と感謝を送りたいです。
アルビレックス新潟を、サポーターの心を守ってくれたのはあなたたちです。
本当にありがとう。
また、アルビレックス新潟関係のコラムを専門的に書く、フリーライターの大中祐二氏は、次のように書いている。
ピッチ周りをとぼとぼうろつく在野のライターですら、ショボいセンサーが働く。ましてや勝負の世界に生き、感覚が研ぎ澄まされた選手たちは、いろいろなものを敏感に察知するだろう。それを考えると、ファビオとペドロ・マンジーの件にクラブが揺れる中、前節・水戸戦の勝利で見せたプロとしての姿勢に、なおさら感動するのだ。
そうなのだ。
今回、酒気帯び運転に関しての騒動で、チームをめぐる環境が落ち着きを欠く中、団結して試合に臨み、プレーに集中している選手たちがすごいと思うのだ。
どれだけの雑音が入り、どれだけ集中力を奪われるのか、私たちの想像を超えたものがあると思う。
それなのに、チーム一体となって、試合に集中して勝利に向かって懸命に戦っている選手たち。
その姿に、胸を打たれる。
今日の試合でも、選手たちを素晴らしいと思った。
サッカーJ2リーグ第28節、ホームアルビレックス新潟対ファジアーノ岡山戦。
FW1人がけが、2人が契約解除で退団となって、攻撃選手の層が薄くなっているのは否めない。
だが、それを全く感じさせないほどに、戦い方は変わっていない。
むしろ、ボールを保持する精度は高まっている。
だから、出ている選手が誰であろうと、そん色はない戦い方ができている。
前半からずっとボールを保持し、セカンドボールを獲得するのも新潟だった。
決定的なチャンスもいくつかつかみ、惜しい場面はいくつもあった。
岡山も新潟も、中2日での試合だったが、新潟の選手たちの動きばかりが目立ち、途中からは岡山陣内での新潟のボール回しがずっと続いていた。
だが、チャンスを逃し続けていると、こういう試合は、ほんのちょっとしたことで暗転する。
81分という遅い時間帯に、ミスから最前線でボールを奪われて失点、先制を許してしまった。
がっくりきてもおかしくないところだ。
それでも、新潟の選手たちの動きは衰えなかった。
残り少ない時間の中でも、懸命にボールを追い、相手陣内に攻め入った。
そして、87分、ゴール前の混戦から、中島が2試合連続のゴールを決めて、試合を振り出しに戻した。
新潟は、この後も攻め続けたが、勝ち越しゴールは奪えないまま試合が終わってしまった。
しかし、選手たちの気迫は伝わってきた。
引き分けに終わり、勝てなかったが、胸を打つ戦いぶりであった。
確かにJ1昇格への道はだんだん厳しくなっていると言えるだろう。
だが、このように熱い思いが伝わってくる戦いぶりは、こちらも本気になって応援したくなる。
監督がよく言う、「選手たちを誇りに思う」を、たっぷり感じる。
スタジアムには、次のような横断幕も掲げられていた。
そのとおりだと思う。
次節は、2位の徳島が相手。
中3日でアウエーでの戦いに挑む。
きっといい試合になる。
そう思う。
VAMOS NIIGATA !