阿智胡地亭のShot日乗

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  1942年生まれが東京都江戸川区から。

コロナ禍という「有事」対応を阻む厚労省や医師会の既得権維持を優先する考え  

2021年02月20日 | SNS・既存メディアからの引用記事

新型コロナではっきり分かった「岩盤規制」の罪 - 磯山友幸

部分引用・・・新型コロナ関連では、他にも様々な「規制」が対応策の前に立ちはだかった。

 典型例がオンライン診療だ。これも安倍内閣の規制改革会議で長年にわたって議論され、2018年6月には「規制改革実施計画」にその解禁が明記され、閣議決定された。直前の2018年4月からオンライン診療が保険適用されることになったが、対象になる疾患が限られていた他、毎月対面診療を行なっている場合の補助的な診療に限られ、3カ月間対面診療がなかった場合にはオンライン診療は保険適用にならないといった具合だった。医師会からすれば、オンラインだけの診療などまかりならず、ましてや初診からオンラインなどとんでもない、という話だった。

 閣議決定に加え、経済同友会が「オンラインによる診療から服薬指導までの一気通貫の実現を」と題する提言を2019年4月にまとめたことなどもあり、厚生労働省は検討に乗り出した。そんな「遅々として進んでいる」(当時規制改革推進会議議長だった大田弘子氏)状況の最中に、新型コロナの蔓延が起きた。

 規制改革推進会議は緊急事態宣言が出された4月7日に、初診から「オンライン診療・電話診療」を活用できるようにすべきという「意見」を決議、政府が同日閣議決定した「緊急経済対策」に盛り込まれた。これで臨時措置としてオンライン診療ができるようになったが、これはあくまで「緊急措置」で、恒久的な措置とすることに、厚労省や医師会の抵抗は続いた。河野太郎行革担当相と田村憲久厚労相が「初診から解禁」で合意したものの、今もまだ検討中だ。

 もっとも、地域の医師会などはオンライン診療の解禁に理解を示すようになった。新型コロナの感染が広がる中で、発熱者から来院相談があった場合、まずは電話やオンラインで診療することの有用性を感じるようになったからだ。突然、発熱者に来られれば、医師も大きなリスクを負うことになる。

 規制が邪魔しているケースはまだある。

 今、新型コロナウイルスに対するワクチンの接種が最大の課題になっているが、実際に接種することになる自治体が頭を抱えている問題がある。接種会場の準備はいいとして、実際に接種する人員を確保できるか、だ。今の日本の法令では、医師以外で予防接種の注射を打てるのは看護師に限られる。前述のように看護師の数は比較的多いので、ここは何とかできるとして、会場に必ず医師がひとり立ち会わなければならない、というのだ。そうでなくても医師が足りないという中で、簡単な処置であるワクチン接種まで医師が必要になるのだ。

 実は、こうした簡単な処置や検査でも医師・看護師だけしかできないという規制に挑んだ会社がある。2007年に創業したベンチャー企業のケアプロが「ワンコイン健診(現セルフ健康チェック)」に乗り出した際、検査希望者が自分自身で採血する簡易検査の法的位置付けは明確ではなかった。これが規制改革によって法的に問題ないということになり、看護師や医師がいなくても血糖値測定など簡単な検査を行えることになった。だが、予防接種など医療行為については規制の壁が立ちはだかっている。2015年になっても巡回検診に医師がいなかったとして問題になったことがある。

 今回、全国民にワクチン接種するという前代未聞のプロジェクトで、医師不足・看護師不足に輪を掛ける「規制」が浮き彫りになっているのだ。

 もちろん、法律を変えればいいではないか、という声もあるだろう。新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)と感染症法の改正法が国会で可決成立し、2月13日から施行されるが、厚労大臣も務めた塩崎恭久・衆議院議員は不十分だと語る。「政府は一貫して『平時』モードから抜け切れず、一向に、覚悟を決めた『有事』モードに完全転換し切れていない」というのだ。

例えば、病床の利用方法について都道府県知事や厚生労働大臣が「命令」する権限は規定されておらず、あくまでお願いベースでしか対応できない。あるいは、いくつかの病院に新型コロナ患者を集約し、そのほかの病院を非コロナ患者受け入れ先にするといったことも命令できないのだ。それも既得権を握る医師会との調整を行うという「平時」モードにこだわっているからだ。もちろんその既得権が様々な規制によって守られていることは言うまでもない。

 新型コロナが終息した後の「ポスト・コロナ」時代は、人々の行動も生活スタイルも大きく変わるだろう。そうした中で、古い規制を見直し、既得権に手をつけていくことは不可欠である。

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