先日、「モンプチ アンサンブル」のテレビCMでBWV1043が流れている(記事は「2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043 [3]」)ということにふれました。この「モンプチ アンサンブル」のほかに、ここのところよく目(耳)にし印象的なのが、日産フーガのテレビCM(「最高の日産」篇)です。
CMで流れている音楽はいわゆる「ヘンデルのサラバンド」で、1733年に出版された組曲第11番(クラヴィーア組曲第2集第4番、HWV437)のサラバンド(第3曲)。荘重な響きのこのサラバンドは、映画「バリー・リンドン」でもつかわれていましたが、このCMでも荘重な雰囲気のままに編曲され、鮮烈です。
ヘンデルは、荘重な系統のサラバンドが好きだったのか、オペラ「ガリア(ゴール)のアマディージ Amadigi di Gaula 」のダルダーノのアリア「不幸な恋人のすべての痛みを Pena tiranna 」や、オペラ「リナルド Rinaldo 」のアルミレーナのアリア「涙の流れるままに Lascia ch'io pianga 」などの名曲があります。
もちろん、CMで流れているサラバンドも小品ながら名曲。荘重な系統のサラバンドらしく和音主体で、16小節のサラバンドと、同じく16小節の二つの変奏で構成されています。このサラバンドをふくむHWV437を、休憩がてら、アラン・カクストンの演奏で楽しむことにします(NAXOS 8.550416)。