今週は本流からはなれ、支流の「小川のせせらぎ」週間として、非ピリオド楽器によるバッハを、いろいろと楽しもうと思います。できれば、クラシック音楽家美女列伝もかねて。で、今日きくのは、アン・アキコ・マイヤーズのバッハ。マイヤーズは、1970年生まれのアメリカのヴァイオリン奏者で、その名から想像できるように、父親がドイツ系アメリカ人、母親が日本人です。1972年生まれの諏訪内晶子とは、ジュリアード音楽院時代がかさなっているかもしれません。
これから楽しむ「2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043」は、マイヤーズが、1697年製と1730年製のストラディヴァリウスをひいて、独奏を多重録音(2011年5月と9月)した、一人二役のめずらしい演奏(共演はイギリス室内管弦楽団)。このBWV1043が収録されたアルバム「Air: The Bach Album」(eOne EOM-CD-7785)は借りもので、マイヤーズもYouTubeあたりの映像でみた記憶はあるのですが、まともにきいたのはこれがはじめてのような気がします。
2011年1月末から2月にかけ、「小川のせせらぎ」週間としてきいた美女たち(ララ・セント・ジョン、ヒラリー・ハーン、諏訪内、ユリア・フィッシャー)のBWV1043にくらべると、第3楽章は速めですが、ほかは同じようなテンポ感です。ほかの収録曲を何曲かちらっときいた感じだと、マイヤーズのバッハに演奏様式の古さを感じましたが、BWV1043ではどうなのでしょうか。古さを感じさせる原因は、艶やかな美音をきかせるためのビブラートにあるのかもしれません。