毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




昨日(大天使ミカエルの祝日)に続き、今日もきくのはカンタータ(演奏もひき続きトン・コープマンたち)。これからきくのは、三位一体節後第17日曜日のための「おのれを高うするものは、卑(ひく)うせられ」で、1726年10月13日に初演されています。このBWV47は全5曲からなり、第1曲の合唱は、228小節の合唱フーガ(コープマンの演奏時間は5分22秒)。しかし、器楽による長い序奏があり、ようやく第45小節からテノールが入ります。第2曲は演奏時間が8分4秒という、長大なソプラノのアリア。はじめの2曲だけで全体(演奏時間は19分27秒)の7割という、なんだかバランスの悪い構成です(演奏にもよるのですが)。

CD : CC 72218(Challenge Classics)

CC 72218

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9月29日は、大天使ミカエルの祝日にあたります。もちろん、今日きくのは同祝日のためのカンタータです。この祝日のためのカンタータとしては、BWV19、BWV50、BWV130、BWV149がのこされていますが、これからきくのは1726年に初演されたBWV19です。この「かくて戦い起これり」は、「ヨハネ黙示録をふまえながら、天使とサタンの軍勢との戦いを、力強く描き出し」(『バッハ事典』)たもので、とくに第1曲の合唱はその背景を強く感じさせます。演奏はトン・コープマンたちのもの(2001年録音)を選びました。

CD : CC 72217(Challenge Classics)

CC 72217

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明日は大天使ミカエルの祝日(9月29日)、明後日は三位一体節後第17日曜日で、ともにカンタータをきく予定。で、今日はなにをきこうか、と。いろいろ思いめぐらせていてうかんだのが、「ゴルトベルク変奏曲」(BWV988)。昨日の記事で、富田庸の「《ゴルトベルク変奏曲》の成立をめぐって」から引用したので、思いうかんだのかもしれません。これからきく演奏は、富田庸つながり(CDの解説を執筆)で、鈴木雅明の録音(1997年)で、楽器はいつものリュッカースによるウィレム・クレースベルヘン製(1982年)です。通してきく時間がないので、これから前半、夜に後半をきこうと思います。

CD : BIS-CD-819(BIS Records)

BIS-CD-819

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先週からきいてきたリサ・ベズノシウクによるフルート・ソナタ(2000年/2001年録音)。収録順にきいてきたわけですが、それもこれからきくBWV1031で最後です。このBWV1031は、第2楽章のシチリアーノでよく知られたソナタ。昨日きいたBWV1033と同じく、真偽についての議論があります。また、このソナタは「クヴァンツのQV2:18 をモデルにバッハが新しく手を加えたものではないかという」(富田庸「《ゴルトベルク変奏曲》の成立をめぐって」)ジーン・スワックの研究もあるようです。なお、QV2:18は、BWV1031と同じ変ホ長調の、ヨーハン・ヨーアヒム・クヴァンツのトリオ・ソナタです。

CD : CDA67264/5(Hyperion)

CDA67264/5

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リサ・ベズノシウクによるフルート・ソナタのCD(2000年/2001年録音)、先週から収録順にきいており、のこるはバッハ作の疑義がもたれている、BWV1033とBWV1031になりました。今日きくBWV1033は、次男エマーヌエルの筆写譜(パート譜)で伝承されており、エマーヌエルは父の名を作曲者として明記していますが、様式批判から真偽が議論されています。また、バッハ研究者ロバート・マーシャルによれば、このBWV1033はもともと、BWV1013のように無伴奏の作品として成立した可能性があったとされています。真偽についての議論については、「ヨハン・ゼバスティアン・バッハのフルートのための室内楽作品」(「湘南のバッハ研究室」)にくわしい説明があります。

CD : CDA67264/5(Hyperion)

CDA67264/5

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イギリスのフルート奏者、リサ・ベズノシウクによるフルート・ソナタの録音、これから楽しむのは、ト短調のソナタです(チェンバロはポール・ニコルソン)。このBWV1020は、ヴァイオリン・ソナタとして伝承されていますが、ヴァイオリンの重音奏法が使用されていないことなどから、この録音のように「フルート・ソナタとして演奏されることも少なくない」(『バッハ事典』)とのこと。なお、作品はバッハの手になるものではなく、次男エマーヌエルの作曲と考えられています。

CD : CDA67264/5(Hyperion)

CDA67264/5

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先週から収録順にきいている、リサ・ベズノシウクによるフルート・ソナタ(2000年/2001年録音)。今日きくのは、ホ長調のフルートと通奏低音のためのソナタです。このBWV1035は、同じ通奏低音とのソナタであるBWV1034もそうでしたが、いわゆる教会ソナタの4楽章構成。フリードリヒ大王の侍従である、ミヒャエル・ガブリエル・フレーデルスドルフのために作曲されたらしく、「バッハがポツダム/ベルリンに旅行した1741年か、1747年の成立とみるのが妥当」(『バッハ事典』)とのことです。通奏低音はリチャード・タニクリフ(チェロ)とエリザベス・ケニー(アーチリュート)です。

CD : CDA67264/5(Hyperion)

CDA67264/5

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これからきくのは、トン・コープマンたちによるカンタータ「いと尊き御神よ、いつわれは死なん」。このBWV8は、三位一体節後第16日曜日のための、いわゆるコラール・カンタータです。初演されたのは1724年9月24日。この時期(8月6日の三位一体節後第9日曜日から11月19日の同第24日曜日まで)は、技巧的なフルート・パートがみられるカンタータがいくつもあり、アリアでのフルートの名技がきわだっています(BWV8だと第4曲のアリア)。

CD : CC 72212(Challenge Classics)

CC 72212

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2000年/2001年に録音されたリサ・ベズノシウクによるフルート・ソナタ。今週の火曜日から収録順にきいており、今日きくのは2枚目冒頭に収められたBWV1030です(共演はポール・ニコルソン)。このロ短調のフルート・ソナタは、はじめは「ト短調で書かれていた可能性が高」(『バッハ事典』)く、それをバッハが改稿していまきかれるかたちになったようです。このブログでは、ト短調の復元稿を、オーボエ(記事は「オブリガート・チェンバロとオーボエのためのソナタ ト短調 BWV1030a」)、そしてヴィオラ・ダ・ガンバ(記事は「ソナタ ト短調 BWV1030a」)の演奏でもきいています。

CD : CDA67264/5(Hyperion)

CDA67264/5

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リサ・ベズノシウクによるフルート・ソナタ、これからきくのは2本のフルートのためのソナタです。このBWV1039は、ヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ第1番(BWV1027)と同じ音楽で、バッハにはめずらしい、旋律楽器のためのトリオ・ソナタです。第2フルートはレイチェル・ブラウン、通奏低音はリチャード・タニクリフ(チェロ)とポール・ニコルソン(チェンバロ)です。

CD : CDA67264/5(Hyperion)

CDA67264/5

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リサ・ベズノシウクの演奏できいているフルート・ソナタ。今日きくのは「無伴奏フルートのためのパルティータ」です。このBWV1013は筆写譜で伝承されており、それには「パルティータ」ではなく、「ソロ」と記されています。舞曲の構成は、アルマンド―クーラント―サラバンド―ブーレー・アングレーズ。クーラントは、筆写譜にはイタリア語でコッレント(Corrento)とあり、クーラントより速いテンポであることを暗示しているものと思われます。ベズノシウクの演奏はくり返しのさい、あとの舞曲になるほど、即興的な装飾をたくさんつけていて、これはききものです。といっても、やはりイギリスの奏者らしくひかえめですが。

CD : CDA67264/5(Hyperion)

CDA67264/5

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イギリスのフルート奏者、リサ・ベズノシウクの「The Complete Flute Sonatas」(2000年9月/2001年1月録音)。昨日から収録順にききはじめています。これからきくのは、イ長調のオブリガート・チェンバロとフルートのためのソナタ(BWV1032)。第1楽章の補完はベズノシウクがおこなっています。楽器は、フルートがヨハネス・ヒュアキントス・ロッテンブルグによるアラン・ウィーメルス製。ポール・ニコルソンのチェンバロはミヒャエル・ミートケによるブルース・ケネディ製(A=392Hz)です。

CD : CDA67264/5(Hyperion)

CDA67264/5

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連休明けの今日からは、リサ・ベズノシウクによるフルート・ソナタをきいていきます。リサは、1956年生まれのイギリスのフルート奏者。ヴァイオリン奏者のパヴロ・ベズノシウクは弟(1960年生)で、これからきくBWV1034で共演している、チェロ奏者のリチャード・タニクリフは夫です。録音は2000年と2001年におこなわれており、独奏での録音はかなりめずらしいと思います。

BWV1034は、ホ短調のフルートと通奏低音のためのソナタ。このブログでは2度目で(もっときいていると思っていましたが)、1度目はバルトルド・クイケンの旧録音でした。リサの演奏は、アーティキュレーションなどはあまり凝ったものではありませんが、経験豊かな奏者らしく堅実にきかせます。共演は、前記のタニクリフ(チェロ)とポール・ニコルソン(チェンバロ)です。

CD : CDA67264/5(Hyperion)

CDA67264/5

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ロバート・ヒルの「若きJ.S.バッハによるチェンバロ音楽」。この録音の未聴作品を、先週の月曜日から収録順にきいてきましたが、のこりはこれからきくBWV989のみとなりました。「アンドレーアス・バッハ本」所収のBWV989は「イタリア様式による(alla maniera itariana)」と付記されたは変奏曲で、2部形式の主題(前半4小節と後半8小節)に10の変奏が続きます。

CD : CD92.102(Hänssler CLASSIC)

CD92.102

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月曜日からきいているロバート・ヒルの「若きJ.S.バッハによるチェンバロ音楽」。今日もその録音から、のこるBWV989をきこうかと思いましたが、先週はカンタータを休んだこともあり、今日はやはりカンタータですごすことにします。これからきくのは、トン・コープマンたちによる「神なしたもう御業こそいと善けれ」(三位一体節後第15日曜日用)。このBWV99は、ザームエル・ローディガストの同名コラールによるカンタータ(ほかにBWV98とBWV100)のひとつで、1724年9月17日に初演された、いわゆるコラール・カンタータです。したがって、全6曲の構成は、第1曲と第6曲がコラール、第2曲から第5曲はレチタティーヴォとアリア(第5曲は二重唱)が交替するというもの。協奏曲風な第1曲は、『バッハ事典』によれば、「ケーテン時代の協奏曲の転用とも考えられる」とのことです。

CD : CC 72212(Challenge Classics)

CC 72212

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