これからきくのは、ドイツのヴァイオリン奏者、アンネグレット・ジーデルによる無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番(BWV1004)です。ジーデルは1963年、ベルリン生まれの奏者。曲が収録されているのは、「Johann Sebastian Bachs Wegbereiter」と題された2019年録音のアルバム。無伴奏ヴァイオリン曲における「バッハの先駆者」である、トーマス・バルツァー、ハインリヒ・イグナーツ・フランツ(・フォン)・ビーバー、ヨーハン・パウル・フォン・ヴェストホフの作品が収録されています。
使用楽器は、ヤコブ・シュタイナーによる1670年製作のヴァイオリン。バッハの遺産目録には、シュタイナーのヴァイオリンが記載されているので、バッハがシュタイナーのヴァイオリンを評価していたことはまちがいないと思われます。録音でもシュタイナーのヴァイオリンの音色が、とても美しくとらえられています。ジーデルの演奏はどちらかというと、繊細で瞑想的とでもいえるものですが、静かな燃え上がりがあり熱量もじゅうぶん感じさせます。
CD : M56984(Musicaphon)