このところずっときいている、エリザベート・ジョワイエによる「インヴェンションとシンフォア」。このアルバムは、フランスのアルファ(Alpha)・レーベル(輸入販売元はマーキュリー)のCDで、アルファ・レーベルのアルバムについては、このブログでもすでにいろいろと紹介しています。そのアルファ・レーベルから、CD付きの書籍として発売されたのが、『バッハを愉しむとき』(フランス語原題はBach La chair et l'esprit)です。同書は、ブリュノ・コクセ、バンジャマン・アラールといった音楽家たちが執筆した豪華本(別冊の日本語訳書籍付き)に、アルファ・レーベル以外の録音を含む、6枚の再編集CDが付されたセット。
音源そのものは、すでに手持ちがほとんどだったのですが、新発見の肖像画の写真と解説、そして完全日本語訳(78頁)付きということもあり、入手しました。バッハの生涯についても簡便にまとめられ、そして多彩な視座の演奏論は、なかなか読みごたえがあります。ただし、頁数制約のためか、日本語としては行間がせまいため、多少読みづらいところが難点でしょうか。なお、日本語訳では書名が大きく変えられています(原題は直訳すれば「バッハ、肉と魂」)。おそらく、日本人の手にとりやすくするための配慮なのでしょう。