ピーター・ウィスペルウェイのヴィオロンチェロ・ピッコロできいているバッハのガンバ・ソナタ(1996年録音「Johann Sebastian Bach Gamba Sonatas」)。これからきくのは第3番(BWV1029)で、これはチェロ・ピッコロ(ウィスペルウェイ)、チェンバロ(リチャード・エガー)、チェロ(ダニエル・イードン)という編成での演奏です。ヴィオラ・ダ・ガンバでの演奏にくらべると、チェロ・ピッコロは歯切れがよく、快活な響き。第1番、第2番ともども、じつに楽しくきくことができます。
ところで、このCDでは収録時間の不足をおぎなうように、ガンバ・ソナタの前後に、プレリュード、ポストリュードのようかたちで、いろいろな編成で演奏された楽曲がそえられ、こちらもじつにおもしろくきくことができます。この第3番でいうと、ト短調のプレリュード(原曲はBWV999のハ短調のプレリュード)とラルゴ(原曲はBWV1056のラルゴ)。チェロ・ピッコロの独奏によるト短調のプレリュードは、オリジナルの独奏曲かと思うほど違和感がありません。
CD : CCS 14198(Channel Classics)