NHK教育で放送された「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」。「バッハ編」の4回がおわったので、ちょっとだけ紹介と感想を。
まず、このテレビ番組は『音楽の学校』(坂本龍一総合監修)の映像化であるということ。『音楽の学校』については「commmonsmart (コモンズマート) 坂本龍一主宰のcommmonsオフィシャルウェブマガジン + ショッピングサイト」に、坂本龍一による特別講義の映像(CONTENTSからcommmons:scholaへ)がありますが、ようするに『音楽の学校』というのはCDが付録された、非クラシックをふくめた音楽全集です。
この『音楽の学校』、未購入なのでくわしくはわかりませんが、そのラインナップがよくある音楽全集とは一味ちがうもの。これはなかなかおもしろそうな感じですが、ただ120頁のわりには8925円もして、ちょっと買う気にはなれません。ちなみにAmazonでは、「vol. 1 J.S. バッハ <坂本龍一選>」は8034円でした。
映像化では、「バッハ編」は「バッハはなぜ”音楽の父”なのか」「”音楽の職人”バッハ」「神に捧げる調べ」「再発見され続けるバッハ」と4回(1回が30分)にわけられ、鼎談、ワークショップ、演奏から構成されています。放送スケジュールなど、くわしくは、「schola 坂本龍一 音楽の学校」でどうぞ。
さて、番組ですが、じっさいの収録時間は、放送時間の30分よりは、ずっと長かったようですね(とくにワークショップ)。それが30分の放送にあわせ、予定調和的に編集されてます。ワークショップが、番組の中核だと思うので、せめて45分、できれば1時間は必要だったと感じました。
ワークショップで、編曲をふくむ作曲技法に視点をおいたのは、美学的な音楽全集とのちがいを示し、バッハ・ファンにも参考になったのではないでしょうか。ゲスト(浅田彰・小沼純一・岡田暁生)との鼎談では、バッハの専門家はひとりもいないため、なんだかもどかしいところもありますが、これはしかたがないところでしょう。