今週きいてきたのは、ボヤン・チチッチの「Bach / Partitas & Sonatas」。2021年に録音されたこのアルバムには、3曲のパルティータ、3曲のソナタという順に6曲が収録されており、ここでもその順に楽しんできました。これからきくのはのこる無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番。緊張から解放されたソナタ第3番(奏者にしてみればそうではないかもしれませんが)、6曲の掉尾を飾るにもふさわしく、フーガもスケールの大きいものです。チチッチの6曲は、練られたアーティキュレーションで、意外なほどに繊細なもの。録音をきくまえは、もっとアグレッシブな演奏をするのではないかと思っていたのですが、かってなイメージは当てになりません。
CD : DCD34300(Delphian Records)