毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




これから楽しむのは、レ・レクレアシオンによる「フーガの技法」(2022年録音)です。レ・レクレアシオンは2010年にデビューした弦楽四重奏団で、「フーガの技法」では、マチュー・カミレリ、サンドリーヌ・デュペ、クララ・ミューレターラー、ジュリアン・アンスウォルト、五味敬子と、「拡大された」四重奏団(5名で4パートを分担)での録音です。

楽器はヴァイオリン属のヴァイオリン、ヴィオリーノ・ピッコロ、ヴィオラ、チェロ、ヴィオロンチェッロ・ピッコロで、曲によりさまざまなくみあわせでの演奏。コントラプンクトゥス第14番は、カミレリの再構成による演奏で、いったん途切れたところで休止し、あらためて展開されるかたちです。

レ・レクレアシオンは、「わたしたちもまた、弦楽器で『フーガの技法』を演奏したいという欲望に屈した」と述べていますが、佐藤俊介オランダ・バッハ協会は、ヴォカリーズをまじえて「フーガの技法」を演奏したいという欲望に屈しています。こういうことであるなら、ほかの演奏家、アンサンブルにもいろいろ屈してもらいたいところです。

CD : RIC 453(RICERCAR)

RIC 453

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大天使ミカエルの祝日(9月29日)にきくのは、エルネスト・アンセルメたちによる「主なる神よ、われらこぞりて汝を頌め」(DECCA 480 0027)です。このカンタータは1724年の初演。大天使ミカエルの祝日のカンタータらしく、力強いコラール合唱曲に、2組のレチタティーヴォとアリア、そしてコラールが続き、全6曲中の第1曲、第3曲、第6曲ではトランペットが勇壮に鳴り響きます。アンセルメの録音は1968年。弦楽と合唱は、スイス・ロマンド管弦楽団とローザンヌ・プロ・アルテ合唱団で、独唱者はエリー・アーメリング、ヘレン・ワッツ、ヴェルナー・クレン、トム・クラウゼです。

480 0027

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今日きくのは、昨日の管弦楽組曲第2番に続き、同第3番です。演奏はエルネスト・アンセルメとスイス・ロマンド管弦楽団で、1961年の録音です。アンセルメの録音は、ケバケバしさのない、とてもすっきりしたもの。第2番もそうでしたが、序曲ではくり返しをまったくおこなわないなど、時代を感じさせる演奏ですが、音楽はいきいきとしていますから、古さは感じさせません。続くエールの演奏時間は、前後半ともくり返しありの5分55秒。内声の美しさがよくわかる、とてもよい演奏です。

480 0027

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今日と明日きくのは、エルネスト・アンセルメとスイス・ロマンド管弦楽団による管弦楽組曲第2番と第3番。アンセルメによるカンタータ「人よ、汝はさきに告げられたり、善きことの何なるか」をきいたアルバム(DECCA 480 0027)に収録されたもので、今日は第2番、明日は第3番を楽しみます。管弦楽組曲第2番は1961年の録音。序曲でのくり返しの省略や、やや楷書風なところは時代を感じさせますが、それでも流麗さもあり、すっきりした演奏で、いまでもじゅうぶん楽しめます。フルート独奏はアンドレ・ペパン。ペパンはカール・ミュンヒンガーの同曲録音でも独奏していた名手です。

480 0027

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今日きくのは昨日に続き「ゴルトベルク変奏曲」(BWV988)で、これからきくのはシャーロット・マタックス・マーシュ(シャルロット・マッタ・メルシュ)の録音(2018年)です。マーシュは1955年生まれのアメリカのチェンバロ奏者。使用楽器はニコラ・デュモンの1707年製にもとづく、ジョン・フィリップスの楽器です。アリアや第25変奏ではさらりと流しているようでありながら、じつにこまやかでしっとりとしており、ほかも同じような傾向。今日はすでに半分(第15変奏まで)をききおえており、のこりは時間があるときに楽しむ予定です。

CD : CRC 3721(Centaur)

CRC 3721

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今日これからきくのは、フレデリク・ハースによる「ゴルトベルク変奏曲」(「クラヴィーア練習曲集 第4部」)です。ハースは、1968年生まれのベルギーのチェンバロ奏者。ピアノを学んだあと、12歳でチェンバロを弾きはじめたということです。アルバムの録音は2010年。使用楽器はアンリ・エムシュの1751年製のチェンバロで、アンソニー・サイディとフレデリック・バルによって修復された楽器。解説書にはその美しい装飾の写真が掲載されていますが、もちろん響きも美しく、ハースのしなやかな演奏ともども、とても楽しめます。なお、時間のつごうで、これからきくのは第15変奏まで。のこりは夜に楽しむ予定です。

CD : LDV 01(La Dolce Volta)

La Dolce Volta

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三位一体節後第16日曜日にきくのは、「たれぞ知らん、わが終わりの近づけるを」(BWV27)です。同日曜日のためのカンタータは4曲が伝承されており、このブログで四半世紀は楽にまわせそうななほど録音も多く、いろいろ迷いましたが、グスタフ・レオンハルトたちによる録音(1995年)のものを選びました。独唱、合唱ともに少年(テルツ少年合唱団員)に歌わせるという、いまでは希少となったスタイルなのを評価した結果です。「たれぞ知らん、わが終わりの近づけるを」は、1726年10月6日に初演されたカンタータ。全6曲からなり、コラールにはじまりコラールでおわります(2曲は別の詩人のコラール)。

CD : SRCR 1700(SONY CLASSICAL)

SRCR 1700

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秋分の日にきくのは、清水靖晃 & サキソフォネッツの「ゴルトベルク変奏曲」(avex-CLASSICS AVCL-25869)。5人のサクソフォン奏者、4人のコントラバス奏者による「ゴルトベルク」で、編曲はもちろん清水です。清水は「無伴奏チェロ組曲」のサクソフォン編曲でもよく知られており、どれも魅惑的な音楽世界を提供してくれています(演奏はもちろん録音も)。参加メンバーは、清水靖晃、林田祐和、江川良子、東涼太、鈴木広志(以上サックス)、佐々木大輔、中村尚子、宮坂典幸、倉持敦(以上コントラバス)。録音は2014年です。

AVCL-25869

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先週からきいてきた、レオン・ベルベンの「Johann Sebasitan Bach / Fantasia & Fuge」(2009年、2010年録音)ものこるは1曲で、きくのはイ短調のファンタジー(BWV922)です。華麗な疾走にはじまり、すすむにつれめまぐるしく表情をかえていく曲で、ベルベンの演奏もそれにあわせてキレキレ。弾いているのは、キース・ヒル製作のチェンバロ(クリスチャン・ツェルの1728年製)で、録音もとても鮮明です。

CD : MYR001CD(myrios classics)

MYR001CD

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先週から収録順にきいている、レオン・ベルベンの「Johann Sebasitan Bach / Fantasia & Fuge」(2009年、2010年録音)。これから楽しむのはイ短調のフーガ(BWV959)。この曲は、18世紀末、筆写者不明の筆写譜で伝承されており、表紙には「Fuga. / del / Sign: Sebastian Bach.」(ゼバスティアン・バッハ氏によるフーガ)との記入があります。変化に富んだ長い主題によるフーガで、なかなかおもしろい展開。バッハらしくないといえばそうですし、若き日のバッハの意欲作といえばそうかな、とも。

CD : MYR001CD(myrios classics)

MYR001CD

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これから楽しむのは、「メラー手稿譜集」所収のト短調のファンタジー(BWV917)。ヨーハン・クリストフ・バッハの手で「Fantasia ex G / duobus / Subjectis. / Johann Seb. Bach」(ヨーハン・ゼバスティアン・バッハによる2つの主題によるファンタジート短調)と表題がつけられており、トッカータ風の序奏から、やや感傷的な音楽が紡がれていきます(じっさいには2つではなく3つの主題)。演奏はレオン・ベルベン。先週からきいている「Johann Sebasitan Bach / Fantasia & Fuge」(2009年、2010年録音)に収録されたものです。

CD : MYR001CD(myrios classics)

MYR001CD

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ハ短調のファンタジー(BWV1121)は、BWV番号からわかるように、1950年のヴォルフガング・シュミーダー「バッハ作品目録」以後に番号が付された曲。オルガン・タブラチュア譜で伝承されており、オルガン曲に分類されていますが、ここではレオン・ベルベンのチェンバロで楽しみます。弾いているのは、キース・ヒル製作のチェンバロ(クリスチャン・ツェルの1728年製)で、録音は2009年および2010年です。

CD : MYR001CD(myrios classics)

MYR001CD

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先週からきいている、レオン・ベルベンの「Johann Sebasitan Bach / Fantasia & Fuge」(2009年、2010年録音)。今週ものこる5曲を収録順に楽しみます。これからきくのはロンドによるファンタジー(BWV918)。筆写譜(ヨーハン・クリスティアン・バッハの筆写)にある「ロンドによる」(sur un Rondeau)が、たんにロンド形式をさすのか、あるいは特定のロンド主題によるということなのか、どちらなのかははっきりしません。クリスティアンの興味をひいた曲らしく、なかなかギャラントな佳品だということは明白です。時代はまったくちがいますが、このファンタジー、ちょっとヘンリー・パーセルの音楽を思いおこさせます。

CD : MYR001CD(myrios classics)

MYR001CD

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三位一体節後第15日曜日にきくのは、カール・リヒターたちによる「全地よ、神にむかいて歓呼せよ」(ARCHIV PRODUKTION 439 387-2)です。「全地よ」は1730年9月17日に初演されたとみられる、ソプラノ独唱のためのカンタータ。バッハのカンタータ中、とりわけ録音の多いカンタータのひとつで、これからきくリヒターの録音(1959年)では、往年の名歌手、マリア・シュターダー(1911年、ハンガリー)が歌っています。トランペットはヴィリー・バウアー(1923年、ドイツ)で、管弦楽はミュンヘン・バッハ管弦楽団です。録音年代を感じさせるのは、たっぷり歌われるレチタティーヴォぐらい。アリアなどではさほど古さを感じさせず、いまでもこういう演奏はありそうです。響きはとても明るく(シュターダーの声質も貢献)、まだまだ楽しめます。

439 387-2

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今週きいてきた(そして来週もきく)のは、レオン・ベルベンの「Johann Sebasitan Bach / Fantasia & Fuge」(2009年および2010年録音)。アルバムには表題どおり、ファンタジーとフーガが収録されており、それらを順番に楽しんでいます。これからきくのはハ短調のファンタジー(BWV906)。華麗というより派手ということばがふさわしいファンタジーにフーガが続きますが、このフーガは未完。ベルベンはこれを補完して弾いています。使用楽器は、キース・ヒル製作のチェンバロ(クリスチャン・ツェルの1728年製)です。

CD : MYR001CD(myrios classics)

MYR001CD

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