夕べのひとときにきくのは、アンドレア・ファルコニエーリ「甘美な調べ(La suave Melodia)」。なぜこの曲をきくのかというと、いまきいているカサンドラ・ルックハルトとピーテル・ディルクセンがメンバーのアンサンブルがラ・スアヴェ・メロディア(甘美な調べ)というつながりです。
ファルコニエーリは、1585年もしくは1586年のナポリ生まれの音楽家(リュート奏者)で、1656年に生地で亡くなりました。「甘美な調べ」は、ナポリ宮廷楽長時代の1650年に出版された曲集(ここではFalconieriではなくFalconieroと綴られています)に収録されたもので、「Violin solo」と通奏低音のための楽曲。
ざんねんながら、ルックハルトたちのアンサンブルは、この曲を録音していないようなので、かわりにマリーナ・ボネッティ(アルパ・ドッピア)とディエゴ・カンタルーピ(キタローネ)の録音を選びました。「オルフェウスの竪琴」(MV Cremona MVC 005-018)というCDにおさめられており、出版譜の指定楽器とはちがいますが、とても美しい演奏です。
野外からきこえてくる小鳥のさえずりとのコラボは、癒やしの時を提供してくれますし、この曲のほかにも、美しい佳品が多数収録されており、お気に入りのCDのひとつです。なお、「甘美な調べ」は同じテーマによるコッレンテとのセットですが、この演奏では省略されています。