これからきくのは、昨日に続きピケットたちによるブランデンブルク協奏曲。ピケットの説によると、この第2番の楽想は、「パルナッソス山上の名声、ホメロス、ウェルギリウス、ダンテ」だということです。女性擬人像として絵画に描かれた「名声」は、直管のトランペットを持物とします(時代により例外もあります)。
バッハに「名声」の図像的な知識があったことは、バッハの世俗カンタータ「鳴れ、太鼓よ! 響け、トランペットよ!」からもうかがえます。BWV214の「名声」のアリア(第7曲)では、ザクセン選帝侯妃の名声を世に知らしめすため、勇壮なトランペットが吹き鳴らされます。もっとも、作曲年代は、BWV1047のほうが先ですが。
トランペット以外のソロ楽器では、ヴァイオリンをホメロス、オーボエをウェルギリウス、リコダーをダンテに、ピケットはそれぞれ関連づけています。演奏では、第1番と同じく通奏低音をチェンバロ、オルガン、アーチリュート(2)、ヴィオローネで編成。また、解説書の記述から、F管のトランペットは直管の楽器で演奏された可能性があります。
CD : POCL-1501/2(ポリドール)