毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




宗教改革記念日(10月31日)にきくのは、鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンによる「いざやもろびと、神に感謝せよ」(BWV192)です。初演は1730年6月4日との研究が発表され、このカンタータは三位一体の祝日のために上演したとされます。全3曲の歌詞はマルティン・リンカルトの3節からなるコラール(第3節では「三位一体なる神」への言及)からとられており、宗教改革記念日、結婚式の用途も推測されていました。リンカルトの詩は普遍的な神への賛美を歌ったものなので、ここでは、これまでのように宗教改革記念日にきくことにします。鈴木たちの録音は2011年。合唱も歌う独唱者は、ハナ・ブラシコヴァ、ダミアン・ギヨン、フリストフ・ゲンツ、ペーター・コーイで、合唱はパート4名で編成されています。

CD : BIS-SACD-1961(BIS Records)

BIS-SACD-1961

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三位一体節後第15日曜日にきくのは、フィリッペ・ヘレヴェーゲ(フィリップ・ヘレヴェッヘ)たちによる「汝なにゆえにうなだれるや、わが心よ」(BWV138)です。このカンタータの初演は1723年9月5日で、合唱とレチタティーヴォにはじまり、レチタティーヴォ、合唱とレチタティーヴォ、レチタティーヴォ、アリア、レチタティーヴォ、コラールという7曲からなっています。ヘレヴェーゲには3種の録音がありますが、ここできくのは2012年録音の最新盤。いつものようにコレギウム・ヴォカーレ・ヘントを指揮しての録音で、近藤倫代(ヴァイオリン)と北里孝浩(オーボエ)が参加しています。

CD : LPH 006(PHI)

LPH 006

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三位一体節後第10日曜日にきくのは、フィリッペ・ヘレヴェーゲ(フィリップ・ヘレヴェッヘ)たちによる「われらより取り去りたまえ、主よ」(BWV101)です。このカンタータの初演は1724年8月13日。カンタータの構成は、第1曲コラール合唱、第2曲アリア、第3曲レチタティーヴォとコラール、第4曲アリアとコラール、第5曲レチタティーヴォとコラール、第6曲二重唱、第7曲コラールという全7曲です。第1曲、第3曲、第5曲、第7曲のコラールは、マルティーン・モラーの同名コラール(全7節)の第1節、第3節、第5節、第7節。ほかの曲も同じコラールからの引用や書き換えで、全詩節コラール・カンタータに準じたものとなっています。ヘレヴェーゲの録音は2016年。管弦楽と合唱はいつものように、コレギウム・ヴォカーレ・ヘントで、録音には北里孝浩(オーボエ・ダ・カッチャ)が参加しています。

CD : LPH 027(PHI)

LPH 027

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三位一体節後第8日曜日にきくのは、フィリッペ・ヘレヴェーゲ(フィリップ・ヘレヴェッヘ)たちによる「人よ、汝はさきに告げられたり、善きことの何なるか」(BWV45)です。このカンタータは1726年8月11日の初演。第1部3曲、第2部4曲の全7曲からなるカンタータで、「ルードルシュタット詩華撰」を歌詞としています(第7曲のコラールはヨーハン・ヘールマンの「おお神よ、汝義なる神よ」の第2節)。ヘレヴェーゲの録音は2020年。管弦楽と合唱はいつものように、コレギウム・ヴォカーレ・ヘントです。録音にはソプラノの岡村知由紀(リィム知由紀)、オーボエの北里孝浩が参加しています。

CD : LPH 035(PHI)

LPH 035

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今日は三位一体節後第6日曜日にあたるのですが、きくのはマリアのエリザベト訪問の祝日(7月2日)のためのカンタータ、「心と口と行いと生きざまもて」(BWV147)です。「心と口と行い」は第1部6曲、第2部4曲かならるカンタータで、1723年は7月2日に初演。120種を超える録音がある、人気のカンタータです。

その中から、今日はピーター・ハーヴィ(指揮)とマグダレーナ・コンソートの録音(2013年)で楽しみます。合唱はOVPPによっており、歌手はエリン・マナハン・トーマスダニエル・テイラージェイムス・ジルクリスト、それにハーヴィです。オーケストラはルーシー・ラッセルをリーダーとする16名編成。

OVPPゆえなのか、第1曲の合唱曲はかなり速めのテンポで、きくかたによっては違和感がかなりあるかもしれません。「主よ、人の望みの喜びよ」で知られるコラール、第10曲はちょっと速め、歌詞ちがいの第6曲はふつう、といったところです。

CD : CCS SA 35214(Channel Classics)

CCS SA 35214

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三位一体節後第5日曜日にきくのは、ピーテル・ヤン・ベルダーたちによる「尊き御神の統べしらすままにまつろい」(BWV9)です。このカンタータは1724年7月9日に初演。歌詞はゲオルク・ノイマルクの7節からなる同名コラールにもとづく、全7曲からなるコラール・カンタータで、第1節が第1曲、第4節が第4曲(「シュープラー・コラール集」の同名オルガン・コラールの原曲)、第5節が第5曲、第7節が第7曲にそのままもちいられています。

ベルダーたちの録音は2013年(ヴァイオリンの山縣さゆりが参加)。「Bach in Context」シリーズの第3巻として発売されたもので、ジェズアルド・コンソート・アムステルダム(OVPP)とムジカ・アンフィオンの共同プロジェクトでした。シリーズ名の「文脈におけるバッハ」は、礼拝の文脈に即したバッハの音楽ということで、アルバムの収録曲は礼拝式での音楽、つまりオルガン曲、モテット、カンタータによって構成されています。

CD : KTC 1487(ET'CETERA)

KTC 1487

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三位一体の日曜日にきくのは、ダニエル・テイラーたちによる「霊と水の聖なる洗礼よ」(BWV165)です。このカンタータは1715年6月16日に初演。アリア(ソプラノ)、レチタティーヴォ(バス)、アリア(アルト)、レチタティーヴォ(バス)、アリア(テノール)、コラールという6曲からなっています。楽器編成は、弦楽にファゴットと通奏低音のみというつつましいものです。テイラー(指揮・芸術監督)たちの録音は2014年。管弦楽と合唱は、シアター・オブ・アーリー・ミュージックとスコラ・カントールム(トロント)で、独唱はアグネス・シゴヴィチ(ソプラノ)、テイラー(カウンターテナー)、ルーファス・ミュラー(テノール)、アレクサンダー・ドブソン(バス)です。

CD : AN 2 9144(ANALEKTA)

AN 2 9144

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聖霊降臨節第3日にきくのは、シギスヴァルト・クイケンとラ・プティット・バンドによる「待ちこがれし喜びの光」(BWV184)です。このカンタータの初演は1724年5月30日。レチタティーヴォ(テノール)、二重唱(ソプラノとアルト)、レチタティーヴォ(テノール)、アリア(テノール)、コラール、合唱曲という全6曲からなっています。楽器編成は室内楽に準じたもので、めずらしくオーボエはふくまず、かわりにフルートが編成されています。こうした編成には、クイケンたちはぴったり。歌手はゲルリンデ・ゼーマン、ペトラ・ノスカイオヴァ、クリストフ・ゲンツ、ヤン・ファン・デル・クラッベンの4人のみ(つまりOVPP)。オーケストラは10人編成とみられます。録音は2012年です。

CD : ACC 25316(ACCENT)

ACC 25316

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聖霊降臨節第2日にきくのは、クリストフ・コワンたちによる「げに神はかくまで世を愛して」(BWV68)です。このカンタータの初演は1725年5月21日。合唱曲、アリア(「狩のカンタータ」第13曲から転用)、レチタティーヴォ、アリア(「狩のカンタータ」第7曲から転用)、合唱曲という全5曲からなり、コラールはふくまれていません。コワンたちの録音は1995年。ヴィオロンチェロ・ピッコロのオブリガートをふくむカンタータ・アルバム(第3巻)収録されており。「げに神は」では第2曲のアリアがそれにあたります。このアリアを歌うのはバルバラ・シュリック。また、第5曲のアリアは、前トマス・カントールのゴットホルト・シュヴァルツが歌っています。管弦楽と合唱は、アンサンブル・バロック・ド・リモージュとアクサンテュス室内合唱団です。

CD : E 8555(Astrée)

E 8555

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今日と明日きくのは、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、ヨハナ・ローゼの「Johanna Rose: 7 Movements」です。このアルバムには「7」楽章の組曲が3曲収録されており、このうちバッハの2曲を楽しみます。バッハの収録曲は無伴奏チェロ組曲第5番と第6番。ともに「6」楽章の組曲ですが、第5番のまえ、第6番のあとに、サント・コロンブ父子の楽曲を挿入し「7」楽章としています。これからきく第5番は、原曲ハ短調をローゼがニ短調に編曲して演奏。上記のようにプレリュードのまえに父サント・コロンブのプレリュードがおかれており、ここではそれもいっしょに楽しみます。録音は2021年で、使用楽器は「7」弦のガンバです。

CD : RCD1101(RUBICON)

RCD1101

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復活節後第6日曜日にきくのは、キリストの昇天日(2024年は5月9日)のためのカンタータ「信じてバプテスマを受くる者は」(BWV37)です。ちょっと変なのですが、9日のカンタータをすっかり忘れていたための代替です。同カンタータの初演は1724年5月18日。オーボエ属、弦楽と通奏低音に4声部の合唱という、祝日用としてはふだんの日曜日とかわらない、ごくふつうの編成のカンタータです。演奏と合唱はジョン・エリオット・ガーディナーたち。ガーディナーの録音は2種ありますが、ここできくのはArchiv Produktion(1993年録音)のものです。

CD : 463 583-2(ARCHIV PRODUKTION)

463 583-2

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復活節後第2日曜日にきくのは、ピーテル・ヤン・レウシンクたちによる「イスラエルの牧者よ、耳を傾けたまえ」(BWV104)です。このカンタータは1724年4月23日に初演。牧歌風の合唱曲にはじまり、レチタティーヴォ、アリア、レチタティーヴォ、アリア、コラールという全6曲で構成されています。レウシンクたちの録音は2000年。管弦楽と合唱は、ネーデルランド・バッハ・コレギウム、オランダ少年合唱団で、独奏者は、クヌート・ショッホ、、バス・ラムセラールです。

CD : 99377(BRILLIANT CLASSICS)

99377

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2024年のバッハ・メダルは、チェンバロ、フォルテピアノ奏者のアンドレアス・シュタイアーに授与されることが決定しました。シュタイアーの受賞は個人的には意外だったのですが、その活動歴からして至極当然でしょう。なお、過去の受賞者は「バッハ・メダル」をご覧ください。



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復活節第3日にきくのは、シギスヴァルト・クイケンとラ・プティット・バンドによる「イエス生きたもうと知る心は」(全6曲)です。このBWV134の初演は1724年4月11日。ケーテン時代のセレナータ「日々と年を生み出す時は」(1719年1月1日初演)を改作したカンタータです。クイケンたちの録音は2009年。いつものように合唱なしで、第6曲のコラールは、イェリー・サー、ペトラ・ノスカイオヴァ、クリストフ・ゲンツ、ヤン・ファン・デル・クラッベンと、4名の歌手のみで歌われます(OVPPによる演奏を参照)。

CD : ACC 25317(ACCENT)

ACC 25317

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復活節前第4日曜日(四旬節第3日曜日)にきくのは、ニコラス・マクギーガンカンタータ・コレクティヴによる「罪に手むかうべし」(BWV54)です。四旬節の期間中のカンタータで伝承されているのは、ヴァイマールで初演されたこのBWV54のみ(三位一体節後第7日曜日用との説もあります)。ですが、BWV54はカウンターテナー歌手の絶好のレパートリーとなっているため録音も多く、今後このブログでも困ることはなさそうです。マクギーガンたちの録音は2021年。独唱はレジナルド・モブリーで、1977年、アメリカ生まれの歌手です。近年ではモンテヴェルディ合唱団でも歌っていますね。カンタータ・コレクティヴは、2017年、カルフォルニアで結成されたアンサンブル。BWV54は8名での演奏です。

CD : CRC 4035(Centaur)

CRC 4035

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