毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




マリアの潔めの祝日(2月2日、2025年は顕現節後第4日曜日でも)にきくのは、ジョン・エリオット・ガーディナーとイングリッシュ・バロック・ソロイスツによる「われはその御名を言い表わさん」です。この曲はカンタータ中のアリアとされ、編成は明記されていませんが、アルトとヴァイオリン、そして通奏低音のためとみられています。ただし、バッハのオリジナルではなく、ゴットフリート・ハインリヒ・シュテルツェルの受難オラトリオ「子羊が往く、咎を背負って」の第39曲のテノールのアリア「あなたの十字架は、わたしの魂の花婿」をバッハが改作したものです。ガーディナーの録音は2000年。独唱はロビン・タイソンです。なお、シュテルツェルの受難オラトリオには全曲録音が2種あり、ジュルジ・ヴァシェジ盤(2018年録音)とヘルマン・マックス盤(2019年録音)がそれです。

CD : 463 585-2(ARCHIV PRODUKTION)

463 585-2

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顕現節後第3日曜日にきくのは、鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)による「主よ、御心のままに、わが身の上になしたまえ」(BWV73)です。このカンタータの初演には1723年、1724年、1725年の説あり、1724年だと1月23日の初演ということになります。音楽は全5曲からなっており、合唱とテノール、バス、ソプラノのレチタティーヴォという、カンタータとしてはめずらしい楽曲ではじまります。鈴木たちの録音は2001年。独唱者は、野々下由香里、ゲルト・テュルク、ペーター・コーイです。BCJの編成は、合唱は総勢13名、オーケストラはホルン、第1、第2オーボエ、第1、第2ヴァイオリン、ヴィオラと通奏低音(ファゴット、チェロ、コントラバス、オルガン)で、総勢15名です。なお、バッハは再演にさいして、ホルンをオブリガートのオルガンにおきかえています。

CD : BIS-CD-1221(BIS Records)

BIS-CD-1221

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今週きいていくのは、川原千真の「J.S.Bach: Drei Sonaten und Drei Partiten für Violine Solo」です。このアルバムには表題どおり、3曲の無伴奏ヴァイオリンのためのソナタと、3曲の無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータがBWV番号順に収録。ここではその収録順どおり、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番から順に楽しみます。川原のこの録音での使用楽器は18世紀後半の北イタリア製。録音は2007年です。

CD : CRT-3100/1(CRÉATION)

CRT-3100/1

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顕現節後第1日曜日にきくのは、ジョン・バットとダニーデン・コンソートによる「いと尊きイエス、わが憧れよ」(BWV32)です。このカンタータは1726年1月13日に初演。「魂」(ソプラノ)と「イエス」(バス)の対話(第1曲から第5曲)からなり、コラール(第6曲)でしめられます。バットたちの録音(2020年)で「魂」を歌うのはジョアン・ラン、「イエス」を歌うのはマシュー・ブロック。ダニーデン・コンソートは、バットのチェンバロをふくめ総勢10名という編成です。

CD : CKD 672(gwk records)

CKD 672

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降誕節後第1日曜日にきくのは、鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)による「神は頌むべきかな! いまや年は終わり」(BWV28)です。このカンタータは1725年4月15日に初演。アリア、アリア、コラール、レチタティーヴォ、アリア、コラールという全5曲からなり、第5曲のコラールをのぞいてすべて独唱曲です。そのコラールも歌う独唱者は、キャロリン・サンプソン、ロビン・ブレイズ、ゲルト・テュルク、ペーター・コーイ。録音は2007年です。

CD : BIS-SACD-1641(BIS Records)

BIS-SACD-1641

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宗教改革記念日(10月31日)にきくのは、鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンによる「いざやもろびと、神に感謝せよ」(BWV192)です。初演は1730年6月4日との研究が発表され、このカンタータは三位一体の祝日のために上演したとされます。全3曲の歌詞はマルティン・リンカルトの3節からなるコラール(第3節では「三位一体なる神」への言及)からとられており、宗教改革記念日、結婚式の用途も推測されていました。リンカルトの詩は普遍的な神への賛美を歌ったものなので、ここでは、これまでのように宗教改革記念日にきくことにします。鈴木たちの録音は2011年。合唱も歌う独唱者は、ハナ・ブラシコヴァ、ダミアン・ギヨン、フリストフ・ゲンツ、ペーター・コーイで、合唱はパート4名で編成されています。

CD : BIS-SACD-1961(BIS Records)

BIS-SACD-1961

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三位一体節後第15日曜日にきくのは、フィリッペ・ヘレヴェーゲ(フィリップ・ヘレヴェッヘ)たちによる「汝なにゆえにうなだれるや、わが心よ」(BWV138)です。このカンタータの初演は1723年9月5日で、合唱とレチタティーヴォにはじまり、レチタティーヴォ、合唱とレチタティーヴォ、レチタティーヴォ、アリア、レチタティーヴォ、コラールという7曲からなっています。ヘレヴェーゲには3種の録音がありますが、ここできくのは2012年録音の最新盤。いつものようにコレギウム・ヴォカーレ・ヘントを指揮しての録音で、近藤倫代(ヴァイオリン)と北里孝浩(オーボエ)が参加しています。

CD : LPH 006(PHI)

LPH 006

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三位一体節後第10日曜日にきくのは、フィリッペ・ヘレヴェーゲ(フィリップ・ヘレヴェッヘ)たちによる「われらより取り去りたまえ、主よ」(BWV101)です。このカンタータの初演は1724年8月13日。カンタータの構成は、第1曲コラール合唱、第2曲アリア、第3曲レチタティーヴォとコラール、第4曲アリアとコラール、第5曲レチタティーヴォとコラール、第6曲二重唱、第7曲コラールという全7曲です。第1曲、第3曲、第5曲、第7曲のコラールは、マルティーン・モラーの同名コラール(全7節)の第1節、第3節、第5節、第7節。ほかの曲も同じコラールからの引用や書き換えで、全詩節コラール・カンタータに準じたものとなっています。ヘレヴェーゲの録音は2016年。管弦楽と合唱はいつものように、コレギウム・ヴォカーレ・ヘントで、録音には北里孝浩(オーボエ・ダ・カッチャ)が参加しています。

CD : LPH 027(PHI)

LPH 027

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三位一体節後第8日曜日にきくのは、フィリッペ・ヘレヴェーゲ(フィリップ・ヘレヴェッヘ)たちによる「人よ、汝はさきに告げられたり、善きことの何なるか」(BWV45)です。このカンタータは1726年8月11日の初演。第1部3曲、第2部4曲の全7曲からなるカンタータで、「ルードルシュタット詩華撰」を歌詞としています(第7曲のコラールはヨーハン・ヘールマンの「おお神よ、汝義なる神よ」の第2節)。ヘレヴェーゲの録音は2020年。管弦楽と合唱はいつものように、コレギウム・ヴォカーレ・ヘントです。録音にはソプラノの岡村知由紀(リィム知由紀)、オーボエの北里孝浩が参加しています。

CD : LPH 035(PHI)

LPH 035

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今日は三位一体節後第6日曜日にあたるのですが、きくのはマリアのエリザベト訪問の祝日(7月2日)のためのカンタータ、「心と口と行いと生きざまもて」(BWV147)です。「心と口と行い」は第1部6曲、第2部4曲かならるカンタータで、1723年は7月2日に初演。120種を超える録音がある、人気のカンタータです。

その中から、今日はピーター・ハーヴィ(指揮)とマグダレーナ・コンソートの録音(2013年)で楽しみます。合唱はOVPPによっており、歌手はエリン・マナハン・トーマスダニエル・テイラージェイムス・ジルクリスト、それにハーヴィです。オーケストラはルーシー・ラッセルをリーダーとする16名編成。

OVPPゆえなのか、第1曲の合唱曲はかなり速めのテンポで、きくかたによっては違和感がかなりあるかもしれません。「主よ、人の望みの喜びよ」で知られるコラール、第10曲はちょっと速め、歌詞ちがいの第6曲はふつう、といったところです。

CD : CCS SA 35214(Channel Classics)

CCS SA 35214

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三位一体節後第5日曜日にきくのは、ピーテル・ヤン・ベルダーたちによる「尊き御神の統べしらすままにまつろい」(BWV9)です。このカンタータは1724年7月9日に初演。歌詞はゲオルク・ノイマルクの7節からなる同名コラールにもとづく、全7曲からなるコラール・カンタータで、第1節が第1曲、第4節が第4曲(「シュープラー・コラール集」の同名オルガン・コラールの原曲)、第5節が第5曲、第7節が第7曲にそのままもちいられています。

ベルダーたちの録音は2013年(ヴァイオリンの山縣さゆりが参加)。「Bach in Context」シリーズの第3巻として発売されたもので、ジェズアルド・コンソート・アムステルダム(OVPP)とムジカ・アンフィオンの共同プロジェクトでした。シリーズ名の「文脈におけるバッハ」は、礼拝の文脈に即したバッハの音楽ということで、アルバムの収録曲は礼拝式での音楽、つまりオルガン曲、モテット、カンタータによって構成されています。

CD : KTC 1487(ET'CETERA)

KTC 1487

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三位一体の日曜日にきくのは、ダニエル・テイラーたちによる「霊と水の聖なる洗礼よ」(BWV165)です。このカンタータは1715年6月16日に初演。アリア(ソプラノ)、レチタティーヴォ(バス)、アリア(アルト)、レチタティーヴォ(バス)、アリア(テノール)、コラールという6曲からなっています。楽器編成は、弦楽にファゴットと通奏低音のみというつつましいものです。テイラー(指揮・芸術監督)たちの録音は2014年。管弦楽と合唱は、シアター・オブ・アーリー・ミュージックとスコラ・カントールム(トロント)で、独唱はアグネス・シゴヴィチ(ソプラノ)、テイラー(カウンターテナー)、ルーファス・ミュラー(テノール)、アレクサンダー・ドブソン(バス)です。

CD : AN 2 9144(ANALEKTA)

AN 2 9144

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聖霊降臨節第3日にきくのは、シギスヴァルト・クイケンとラ・プティット・バンドによる「待ちこがれし喜びの光」(BWV184)です。このカンタータの初演は1724年5月30日。レチタティーヴォ(テノール)、二重唱(ソプラノとアルト)、レチタティーヴォ(テノール)、アリア(テノール)、コラール、合唱曲という全6曲からなっています。楽器編成は室内楽に準じたもので、めずらしくオーボエはふくまず、かわりにフルートが編成されています。こうした編成には、クイケンたちはぴったり。歌手はゲルリンデ・ゼーマン、ペトラ・ノスカイオヴァ、クリストフ・ゲンツ、ヤン・ファン・デル・クラッベンの4人のみ(つまりOVPP)。オーケストラは10人編成とみられます。録音は2012年です。

CD : ACC 25316(ACCENT)

ACC 25316

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聖霊降臨節第2日にきくのは、クリストフ・コワンたちによる「げに神はかくまで世を愛して」(BWV68)です。このカンタータの初演は1725年5月21日。合唱曲、アリア(「狩のカンタータ」第13曲から転用)、レチタティーヴォ、アリア(「狩のカンタータ」第7曲から転用)、合唱曲という全5曲からなり、コラールはふくまれていません。コワンたちの録音は1995年。ヴィオロンチェロ・ピッコロのオブリガートをふくむカンタータ・アルバム(第3巻)収録されており。「げに神は」では第2曲のアリアがそれにあたります。このアリアを歌うのはバルバラ・シュリック。また、第5曲のアリアは、前トマス・カントールのゴットホルト・シュヴァルツが歌っています。管弦楽と合唱は、アンサンブル・バロック・ド・リモージュとアクサンテュス室内合唱団です。

CD : E 8555(Astrée)

E 8555

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今日と明日きくのは、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、ヨハナ・ローゼの「Johanna Rose: 7 Movements」です。このアルバムには「7」楽章の組曲が3曲収録されており、このうちバッハの2曲を楽しみます。バッハの収録曲は無伴奏チェロ組曲第5番と第6番。ともに「6」楽章の組曲ですが、第5番のまえ、第6番のあとに、サント・コロンブ父子の楽曲を挿入し「7」楽章としています。これからきく第5番は、原曲ハ短調をローゼがニ短調に編曲して演奏。上記のようにプレリュードのまえに父サント・コロンブのプレリュードがおかれており、ここではそれもいっしょに楽しみます。録音は2021年で、使用楽器は「7」弦のガンバです。

CD : RCD1101(RUBICON)

RCD1101

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