毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




今週きいているのは、パーヴェル・コホウトの「BBB」( Buxtehude | Böhm | Bach )から、「シュープラー・コラール集」です。これからきくのは、「わがこころは主をあがめ」(BWV648)で、原曲は同名カンタータ(BWV10)の第5曲。オルガンは、トマーシュ・モチュニクが2007年に建造した、ヴェレソヴォ旧修道院教会のそれです。

CD : KP000022131(PAVEL KOHOUT)

KP000022131

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『パイプオルガン入門 見て聴いて触って楽しむガイド』(春秋社)は、オルガン奏者、椎名雄一郎が著したオルガンの入門書。「15歳の時にオルガンの美しさに魅せられ」(まえがき)た著者が、5章にわたってオルガンについて平明に記しており、オルガン音楽を楽しむための良質のガイドブックとなっています。バッハはもちろん、それ以外の作曲家、またドイツ以外の地域のオルガンやその音楽についても幅広くあつかわれています。オルガン音楽というと、ともすれば、バッハ以外、ドイツ以外を軽視してしまいがちです。しかし、そうした広い視座はバッハ、そしてその演奏を理解するうえで、とても重要なことだと思われます。

パイプオルガン入門 見て聴いて触って楽しむガイド

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今日きくのはパーヴェル・コホウトのオルガンで、「尊き御神の統べしらすままにまつろい」(「シュープラー・コラール集」)。このBWV647は、2011年に録音された「BBB」に収録されており、原曲は同名カンタータ第4曲の二重唱です。コラール旋律は、原曲では2部のヴァイオリンとヴィオラによって奏されますが、オルガン編曲では足鍵盤によって奏されます。コホウトの弾くのは、ヴェレソヴォ旧修道院教会の、トマーシュ・モチュニクが2007年が建造したオルガンです。

CD : KP000022131(PAVEL KOHOUT)

KP000022131

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これからきくのは、パーヴェル・コホウトによる「BBB」(2011年録音)から「われはいずこにか逃れゆくべき」です。このBWV646は、「シュープラー・コラール集」の1曲ですが、これのみ原曲が判明していません。ほかの5曲がカンタータ楽章からの編曲なので、おそらく同じようにカンタータ楽章だと推測されます。使用楽器は、ヴェレソヴォ旧修道院教会の2段の手鍵盤と足鍵盤を備えたオルガン(トマーシュ・モチュニクが2007年に建造)で、2段の手鍵盤と足鍵盤を要求した「シュープラー・コラール集」を演奏するにはぴったりです。

CD : KP000022131(PAVEL KOHOUT)

KP000022131

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今週きいていくのは、パーヴェル・コホウトによる「BBB」(2011年録音)。先々週、同アルバムに収録された2曲のプレリュードとフーガを楽しんだのですが、のこる収録曲が「シュープラー・コラール集」で、月曜日から土曜日にきくには曲数的にちょうどよく、同コラール集を順番にきいていきます。まず今日きくのは「目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声」。同名カンタータであるBWV140の第4曲(テノールによるコラール)を原曲とするオルガン編曲で、同コラール集でもとりわけ有名です。コホウトの弾くオルガンは、ヴェレソヴォ旧修道院教会のそれで、トマーシュ・モチュニクが2007年に建造したものです。

CD : KP000022131(PAVEL KOHOUT)

KP000022131

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三位一体節にきくのは、鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)による「傲りかつ臆するは」です。このBWV176は、1725年5月27日に初演された全6曲からなるカンタータ。自由詩の歌詞は、女流詩人クリスティアーネ・マリアーネ・フォン・ツィーグラーの台本によっており、コラールはパウル・ゲールハルトです。このカンタータを、BCJは独唱者をふくむ歌手パート3人、16人のオーケストラで録音(2006年)しています。独唱者は、野々下由香里、ロビン・ブレイズ、ペーター・コーイです。

CD : BIS-SACD-1571(BIS Records)

BIS-SACD-1571

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今日これからきくのは、アンジェラ・ヒューイットによる「ゴルトベルク変奏曲」(hyperion CDA68146)です。ヒューイットは1958年生まれのカナダのピアノ奏者で、「ゴルトベルク」は1999年と2015年の新旧録音があります。これからきくのは新録のほうで、弾いているピアノはファツィオーリ(旧録ではスタインウェイ)。このイタリアのピアノは、ヒューイットの「フーガの技法」などでも使用され、どうやら近年のヒューイットのお気に入りのようです。スタインウェイにくらべると、ファツィオーリは色彩が豊かですね。

ところで、今日5月26日、ヒューイットは日本で公演が予定されています。会場は京都・青山音楽記念館バロックザールで、ききに行きたかったのですが、所用で断念。プログラムは「ゴルトベルク」で、今日ヒューイットの「ゴルトベルク」を選んだのは、そのかわりといったところです。

CDA68146

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今日これからきくのは、ジュリエット・ユレルアンサンブル・レ・シュルプリーズによるト長調のトリオ・ソナタ(フルート、ヴァイオリン、通奏低音のためのソナタ)で、昨日、一昨日と同じく、2017年録音のアルバム「Bach Inspiration」(Alpha ALPHA 358)に収録されたものです。ユレルは、録音セッションの写真からすると、木管のフルートを使用しているもよう。ただし、木管のフルートといっても、フラウト・トラヴェルソではなく、ベーム式のキーシステムによる「木管」のフルートです。ふだんは「金管」(18K金製)のフルートを使っているようなので、バッハには「木管」のほうがふさわしいと考えたのか、共演のアンサンブル・レ・シュルプリーズがピリオド楽器アンサンブルだということを考慮したのか、あるいは、どちらもなのかもしれません。ユレルの演奏は、ピリオド楽器のアンサンブルとの親和をはかったもので、とても好感がもてます。ただし、あたりまえながら完全には親和せず、やはり異質感はのこりますが。なお、アルバムにはほかに、フルートとソプラノをフィーチャーしたアリアも収録されています。

ALPHA 358

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昨日からきいている、ジュリエット・ユレルによる「Bach Inspiration」(Alpha ALPHA 358)。今日これからきくのは無伴奏フルートのためのパルティータです。ユレルはひかえめながらも、しゃれた装飾を入れつつ吹いています。

ALPHA 358

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2018年のバッハ・メダルは、アメリカの鍵盤楽器奏者ロバート・レヴィンの受賞となりました(授与は6月14日)。このところ予想がつきにくくなったバッハ・メダル受賞者ですが、レヴィンが受賞とはまったくの予想外。「ヨハン・ゼバスティアン・バッハ国際コンクール」における寄与が評価されたようです。もちろん、このブログでもきいた、「平均律」をチェンバロ、クラヴィコード、フォルテピアノ、オルガンを弾きわけた録音など、演奏家としてもすぐれていることはいうまでもないのですが、とくにバッハ弾きというわけでもありません。カンタータ録音が進行中のシギスヴァルト・クイケンやルドルフ・ルッツは、受賞するにしても全曲録音完了後でしょうし、有力な音楽家はすでに受賞ずみということになると、今後は研究者にも受賞者が広がるかもしれませんね。



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今日、明日、明後日ときいていくのは、ジュリエット・ユレルによる「Bach Inspiration」(Alpha ALPHA 358)。ユレルは、1970年、フランスはオセール生まれのフルート奏者で、神戸国際フルートコンクール(1997年の第4回コンクール武満作品最優秀演奏賞)などの受賞歴があります。2017年録音の「Bach Inspiration」は、フルートがフィーチャーされたバッハの音楽が収録されており、これから楽しむ管弦楽組曲第2番のほか、フルートがオブリガート楽器のアリアなども収録されています。共演はアンサンブル・レ・シュルプリーズです。

ALPHA 358

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聖霊降臨節第3日にきくのは、コンラート・ユングヘーネルとカントゥス・ケルンによるト長調のミサ曲(BWV236)。一昨日、昨日のように、同祝日のためのカンタータをきけばよいのですが、伝承されたカンタータが2曲ということを考慮し、ミサ曲をきくことにしました。これからきくBWV236は、すべて曲がカンタータからの転用。第1曲はBWV179の第1曲、第2曲はBWV79の第1曲、第3曲はBWV138の第5曲、第4曲はBWV79の第5曲、第5曲はBWV179の第3曲、第6曲はBWV17の第1曲が原曲です。

CD : HMC 901939.40(harmonia mundi)

HMC 901939.40

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聖霊降臨節第2日にきくのは、鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)による「われいと高き者を心を尽くして愛しまつる」です。このBWV174は、1729年6月6日に初演された全5曲からなるカンタータ。これを予備知識なしにはじめてきくかたは、第1曲のシンフォニアに驚かされるかもしれません。その音楽がブランデンブルク協奏曲第3番の第1楽章と同じだからです。もっとも、原曲にはないホルンやオーボエがふくまれていて、とても開放感のある音楽となっています。シンフォニアに続くのは、第2曲のアリア(アルト)、第3曲のレチタティーヴォ(テノール)、第4曲のアリア(バス)、第5曲のコラールと、こぢんまりした構成。歌唱部の編成もOVPPでよさそうですが、BCJはパート3名での録音(2011年)です。

CD : BIS-SACD-1941(BIS Records)

BIS-SACD-1941

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聖霊降臨節第1日にきくのは、ジェン・エリオット・ガーディナーたちによる「歌よ、響け」です。このBWV172は、1714年5月20日にヴァイマールで初演されたカンタータ(ヴァイマールでもライプツィヒでも再演)。ガーディナーには旧録のアルヒーフ(Archiv Produktion)と新録のSDG(Soli Deo Gloria)の2種の録音がありますが、これからきくのはSDGでの録音です。両者の録音は1999年と2000年なので、新旧の録音は時期的にわずか1年ほど。しかし、旧録ではハ長調の1731年稿(ライプツィヒ2度目)、新録ではニ長調の1724年稿(ライプツィヒ1度目)が採用されており、同曲のたんなる録りなおしではありません。

CD : SDG 121(SDG)

SDG 121

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今日これからきくのは、昨日の予告どおりパーヴェル・コホウトによる「BBB」(2011年録音)で、変ホ長調のプレリュードとフーガです。「クラヴィーア練習曲集 第3部」の劈頭と掉尾におかれたもので、「3」で支配されたオルガン曲です。コホウトはプレリュードを威容を誇る伽藍のように弾いたあと、フーガでは一転して室内楽的とでもいえるような親密な弾奏。それでも第3主題が提示されたあたりからは音楽も高揚してきます。使用楽器は、トマーシュ・モチュニクが建造したヴェレソヴォの旧修道院教会のオルガン(2007年)です。

CD : KP000022131(PAVEL KOHOUT)

KP000022131

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