今日からしばくのあいだ楽しむのは、ファンタズムの
CD「The Well-Tempered Consort Ⅰ」(2019年録音)です。表題は、ふつう「平均律クラヴィーア」と訳される「Das Wohltemperierte Clavier」(英語だとThe Well-Tempered Clavier)のもじりのようで、直訳すれば、「うまく調律されたクラヴィーア」ならぬ「うまく調律されたコンソート」ということでしょう。「よく鍛錬されたコンソート」という意味をふくんでいるのかもしれません。
ファンタズムはイギリスのヴァイオル(ヴィオール)・コンソート。メンバーは、ローレンス・ドレフュス、エミリア・ベンジャミン、ジョナサン・マンソン、ハイディ・グレーガー、マルック・ルオヤラン・ミッコラで、これにリアム・バーンが参加して録音がおこなわれました。収録曲は20曲ですが、きいていくのは、作品の一部となる7曲をのぞいた13曲で、収録順のとおりに楽しみます。
今日まずきくのは、シンフォニア第9番(BWV795)を原曲するヴァイオル・コンソート編曲(原曲ヘ短調をニ短調に移調)。ここでの奏者は、ドレフュス(トレブル)、マンソン(テナー)、ルオヤラン・ミッコラ(ベース)です。なお、このシンフォニアはCDの2曲目にあたり、1曲目は3声のリチェルカーレ(「音楽の捧げもの」)です。第20曲、つまりCD末の6声のリチェルカーレともども、今回は割愛しています。
CD : CKD 618(Linn Records)