日曜日(復活節前第6日曜日)にはカンタータ、というのがこのブログでの恒例なのですが、この時期のカンタータといえばごくわずかしかのこされていません。ライプツィヒでは、四旬節の期間中、原則的にカンタータが演奏されなかったためで、いつもこの時期はなにをきこうか悩んでしまいます。
で、いろいろ考え悩んだあげくひねりだしたのが、「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 BWV1045」です。このBWV1045は、「失われた教会カンタータの導入楽章として伝えられる作品」(『バッハ事典』)で、シンフォニアと題された曲の149小節ほどでとぎれています(原曲はおそらくヴァイオリン協奏曲)。
楽譜にはJ.J.(イエスよ、助けたまえ Jesu Juva の略)に続き、「4部の合唱、3本のトランペット、ティンパニ、2本のオーボエ、協奏的ヴァイオリン、2部のヴァイオリン、ヴィオラと通奏低音のためのコンチェルト」(コンチェルトは協奏曲ではなく教会カンタータのこと)とあり、かなり大規模な編成です。
『バッハ事典』によると、その成立は1743~46年だそうなので、BWV1045は、この時期、毎年のように督促されていた市参事会員交代式のためのカンタータのシンフォニアだったのかもしれません。ともかく、この輝かしいシンフォニアを鈴木雅明らの演奏(補筆も鈴木)できくことにします。
CD : BIS-SACD-1801(BIS Records)