今日もきくのは、ヴィーラント・クイケンとピート・クイケンによるガンバ・ソナタでその第3番(BWV1029)です。親子共演の録音は2002年におこなわれており、グスタフ・レオンハルトとの録音は1973年だったので、ほぼ30年の時をへだてていることになります。
そのあいだにピリオド・アプローチも熟成し、そしてもちろんヴィーラントも熟成したことによって、新旧録音の印象はかなりことなっているように感じます。新録でのヴィーラントはじつにまったりとしており、尖ったところがありません。テンポも中庸(というか急速楽章ではやや遅め)で、近年の若手の演奏のように突っ込んだところもなく、きき疲れのしない演奏だといえるでしょう。
なお、ヴィーラントの弾くのはニコラ・ベルトランの1705年ごろ製作のヴィオラ・ダ・ガンバ、ピートが弾くのはアンソニー・サイデイとフレデリック・バルの1995年製(1740年ごろのジャーマン・モデル)のチェンバロです。
CD : A 383(ARCANA)