今日と明日は、フランス・ブリュッヘン追悼のため、バス独唱のためのカンタータ、「われは喜びて十字架を負わん」と「われは満ち足れリ」をきくことにします。両カンタータが収録されたディスク(1977年録音)は、指揮者としてのブリュッヘンの最初期の録音で、SEONから発売されたアルバムです。まず今日きくのは、「われは満ち足れリ」。このBWV82は、ほんらいはマリアの潔めの祝日(2月2日)のためのカンタータで、いつもなら教会暦にあわせてきいているのですが、今日はそれは無視することにしました。
独唱はマックス・ファン・エグモント、オーボエ独奏はブルース・ヘインズ(2011年5月17日死去)で、アンサンブルはバロック・オーケストラ。ブリュッヘンらしい凝ったアーティキュレーションで、エグモントの名唱ともども、古さを感じさせません。アンサンブルのリーダーはルシー・ファン・ダールのようで、そっけないほどの団体名のアンサンブルが、やがて18世紀オーケストラへと発展したものと思われます。なお、バロック・オーケストラには、木村美穂子と渡邊慶子の二人のヴァイオリン奏者が参加しています。
CD : SRCR 2444(SONY CLASSICAL)