今週のバッハは、2019年7月25日に亡くなったアンナー・ビルスマによる、6曲の無伴奏チェロ組曲(1992年録音)をきいてきました。この録音は、いわゆるモダンの楽器、ストラディヴァリウス「セルヴェ」をもちいてのものだったのですが、今日これからきく第6番(BWV1012)のみはピリオド楽器で録音しています。その使用楽器は、1700年ごろチロルで製作されたヴィオロンチェロ・ピッコロで、この楽器は1990年録音のガンバ・ソナタで使われたものと同じです。
ビルスマはこの第6番について、無伴奏ヴァイオリン曲と同じ音域なので、「組曲第6番も、なにかしら手で持つ『ヴィオラ』のような楽器をもとに作曲された音楽だと思う」とし、「しかしながら、この組曲は《無伴奏チェロ組曲》の曲集のなかに含まれている。それならば同じチェロ族のチェロ・ピッコロで演奏することは、説得力があると思っているんだ」と続けています(引用はすべて『バッハ・古楽・チェロ アンナー・ビルスマは語る』190頁)。
CD : S2K 48 047(SONY CLASSICAL)