番号順に楽しんできたジョン・バットによる「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」、大晦日にきくのはロ短調の第24番です。このBWV869、第1巻の掉尾を飾るにふさわしい名品ですが、演奏者によってテンポ(とくにプレリュード)がずいぶんちがいます。アンダンテの表記があるプレリュードは二部形式で、そのくり返しの励行は演奏者によってまちまち。完全励行したという計算で、手持ちの録音を調べると、速いものは4分前後、遅いものだと8分前後となります。バットは速いほうのグループで、4分5秒。このグループには、ダヴィット・モロニー、ピエール・アンタイ、そしてグスタフ・レオンハルト(くり返しなし)もいます。
CD : CKD 463(Linn Records)