毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




三位一体節後第26日曜日にきくのは、ナイジェル・ノースによる「目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声」です。このコラールはいまレギュラーできいている、「J.S. Bach: Complete Lute Works and Other Transcription」に収録されており、原曲は「シュープラー・コラール集」所収のオルガン・コラール。昨日のトッカータとフーガも今日のオルガン・コラールも意表をついた選曲で、ともにリュート編曲はノースです。

CD : DXL1194(Deux-Elles)

DXL1194

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今週きいているのは、ナイジェル・ノースの「J.S. Bach: Complete Lute Works and Other Transcription」(2022年録音)。このアルバムから収録順にきいているのですが、これから楽しむのは順番をかえ、きくのはト短調のトッカータとフーガ(BWV565)です。アルバムのおわりに収録されているトッカータとフーガは、番号からもわかるように、有名なニ短調のトッカータとフーガをリュートのために編曲(ト短調)したもの。真作性に疑義があるオルガン曲ですが、同曲の「潜在的なリュート風な資質に感嘆してきた」(ノースの解説)というとおり、これが意外なほどはまっていて、違和感なく楽しめます。

CD : DXL1194(Deux-Elles)

DXL1194

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今週後半はイタリアのオルガン奏者、ロレンツォ・ギエルミが2023年に録音した「Bach Fragments」から、オルガン自由曲をきいてきました(同アルバムはバッハの断片オルガン曲をすべて収録しています)。今日きくのはハ短調のファンタジーとフーガ(BWV53)。同曲はヨーハン・トビーアスとヨーハン・ルートヴィヒのクレープス父子の筆写譜で伝承されており、いちおう完成されたもので断片ではありません。ただし、フーガのおわりの部分はヨーハン・ルートヴィヒの手が入っているとみられています。

フーガでのバッハの企図について、ギエルミは2重フーガの可能性を指摘していますが、筆写譜はフーガのはじめの部分をダ・カーポしておわっており、ギエルミはそれにもとづき演奏しています。できれば、ギエルミによる2重フーガ版をきたいところですが、父子ともにバッハの弟子であった同時代人の筆写譜がある以上、補完行為を競うことは不遜として回避したのかもしれません。弟子によって完成されていながらも、なんだかんだで補筆版の多いモーツァルトの「レクイエム」は、ちょっと不遜なのではと思ってしまいます。

CD : PAS 1140(Passacaille)

PAS 1140

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今日もきくのは昨日に続き、ロレンツォ・ギエルミの「Bach Fragments」です。今日きくのはハ短調のファンタジーとフーガ(BWV562)で、「Fantasia pro Organo à 5 Vocam cum pedali obligato」と標記されたファンタジアにはじまり、「Fuga. a 5」と標記のあるフーガが続きます。が、このバッハ自筆譜のフーガは1頁(27小節)しか伝承されていません。ギエルミはこれを補完し録音(2023年)。このフーガについては2重フーガ説もあるのですが、ギエルミは2重対位法にふさわしい第2主題はないと判断し、単純フーガとして補完してます。

CD : PAS 1140(Passacaille)

PAS 1140

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今週後半にきくのは、ロレンツォ・ギエルミの「Bach Fragments」です。このアルバムの録音は2023年。表題のとおり、いろいろな理由で未成(断片)のまま伝承されたオルガン曲すべてを、おもにギエルミが補完したものが収録されています。アルバム中、きくのはオルガン自由曲3曲。これからきくハ長調のファンタジー(BWV573)から、収録順どおりに楽しむ予定です。同曲は「アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集」(第1巻)に所収。「Fantasia pro Organo」と標記された曲は、13小節目でとぎれたまま伝承されており、のこりはギエルミによって補完されています。使用楽器は、オランダのライル社が2009年に建造した、聖ニコラウス教会(ドイツのローゼンハイム)のオルガンです。

CD : PAS 1140(Passacaille)

PAS 1140

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今日これから楽しむのは昨日に続き、グレゴール・マイヤーの「The Kreutzbach Organs」から。きくのはハ短調のプレリュードとフーガ(BWV546)で、録音にもちいられているのは表題どおりクロイツバッハ・オルガンです。ただし、昨日と同じクロイツバッハ・オルガンながら、建造者などはことなります。このプレリュードとフーガでマイヤーの弾いているのは、ライプツィヒ近郊の町、ヴィーデラウのヨハネ教会のオルガン(1831年、ウルバン・クロイツバッハが建造した、手鍵盤、足鍵盤ともに1段のオルガン)。録音は2022年です。

CD : GEN 24862(GENUIN classics)

GEN 24862

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今日と明日きくのは、グレゴール・マイヤーの「The Kreutzbach Organs」です。このアルバムは表題どおり、クロイツバッハ・オルガンを弾いての録音で、収録曲から今日はト短調のファンタジーとフーガ(BWV542)をきき、明日はハ短調のプレリュードとフーガ(BWV54)きく予定。これからきくファンタジーとフーガでは、マイヤーはヨハンゲオルゲンシュタットの町教会のオルガン(1872年製、リヒャルトおよびベルンハルト・クロイツバッハが建造)を弾いており、録音は2022年と2023年におこなわれています。マイヤーは1979年生まれのドイツのオルガン奏者、合唱指揮者(ゲヴァントハウス合唱団など)です。

CD : GEN 24862(GENUIN classics)

GEN 24862

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モーリス・シュテーガーラ・チェトラ・バロックオーケストラ・バーゼルの「A Tribute to Bach」(2021年録音)。今週はこのアルバムを収録順に楽しんでおり、これからきくのはリコーダー、ヴァイオリンと通奏低音のためのトリオ・ソナタです。原曲はオルガンのための同調のソナタ(BWV527)で、このブログでも同じ試みをいくつもきいています。ここできく演奏は、リコーダーがシュテーガー、ヴァイオリンがカタリーナ・ホイティアー、通奏低音がヨナタン・ペシェク、ダニエレ・カミニーティ、フレート・ヴァルター・ウーリヒ、ゼバスティアン・ヴィーナントです。シュテーガーの楽器は、両端楽章がC管のトレブル・リコーダー。中間楽章はF管のトレブル・リコーダーに持ち替えて演奏しています。

CD : 0303072BC(Berlin Classics)

0303072BC

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今週ここまできいてきたのは、アン・ヘレナ・シュリューターの「Holy Spirit(聖霊)」。このアルバムからバッハのオルガン自由曲のみを収録順に楽しんできて、最後にきくのはパッサカリアとフーガ(BWV582)です。シュリューターは音価をわずかに伸縮させて弾いており、アーティキュレーション豊か。作曲もするので、おわり近くのフェルマータ(第285小節)での即興を期待していましたが、これはありませんでした。録音は2021年で、使用楽器はヴァルタースハウゼン市教会のオルガン(トビアス・ハインリヒ・ゴットフリート・トロスト建造)です。

CD : audite 97.801(audite)

audite 97.801

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今日これからきくのはト長調のファンタジー(BWV572)。トレ・ヴィトマン、グラヴマン、ラントマンという3部からなり、フランス語で表記されているとおり、いかにもフランス風なオルガン曲です。とはいえグラヴマンは、まさに重々しく濃密で、やはりバッハらしい音楽。ここできく演奏はアン・ヘレナ・シュリューターで、一昨日から楽しんでる「Holy Spirit」に収録されたものです。録音は2021年。オルガンは、トビアス・ハインリヒ・ゴットフリート・トロスト建造のヴァルタースハウゼン市教会のそれです。

CD : audite 97.801(audite)

audite 97.801

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昨日からききはじめた、アン・ヘレナ・シュリューターの「Holy Spirit(聖霊)」。シュリューターは1976年生まれのドイツのピアノ、オルガン奏者、作曲家。文芸や絵画の造詣も深く、「Holy Spirit」のジャケットの「Duft(香り)」と題された絵はシュリューターによるもです。スウェーデン人の母はピアノ教師、オルガン奏者、ドイツ人の父はピアノ奏者で、父にピアノを師事。ケルン音楽舞踊大学、デトモルト音楽大学、ヴュルツブルク音楽大学で、ひき続きピアノを学び、オルガンはピーター・ファン・ダイク、クリストフ・ボッサートに学んでいます。

今日きくのは超名なトッカータとフーガ(BWV565)。シュリューターの演奏は贅肉を削ぎおとしたようなスマートなもので、なかなか楽しめます。とくにおもしろいのは、曲尾の和音を長く長く保持しているところ。12秒ぐらいありますね。弾いているのは、トビアス・ハインリヒ・ゴットフリート・トロストが建造(1722年から1730年[あるいは1735年])した、ヴァルタースハウゼン市教会のオルガンです。なお、オルガンを完成(1755年)させたのは、おそらくヨーハン・ハインリヒ・プッパート。19世紀と20世紀半ばに改修されたのち、1995年から1998年にかけての改修でオリジナルの状態にもどされました。

CD : audite 97.801(audite)

audite 97.801

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今週きいていくのは、アン・ヘレナ・シュリューターの「Holy Spirit」です。このアルバムは2021年の録音で、バッハのオルガン曲を中心に、ヤン・アーダム・ラインケン、ハインリヒ・シャイデマン、そしてシュリューターのオルガン曲を収録。バッハは6曲が収録されていますが、ここでは自由曲の4曲のみを楽しみます。これからきくのはオルガンのためのニ短調のソナタ(BWV527)。弾いているのはヴァルタースハウゼン市教会のオルガン(トビアス・ハインリヒ・ゴットフリート・トロスト建造)です。

CD : audite 97.801(audite)

audite 97.801

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今日きくのは、「Piet Kee plays Bach & Buxtehude」(1988年録音)から、ホ短調のプレリュードとフーガ(BWV533)。音楽は奔放かつ情熱的で、いかにもブクステフーデ的です。アルバム表題のとおり、オルガンはピート・ケー。弾いているのは、アルクマール(オランダ)の聖ラウレンス教会のハーヘルベール/シュニットガー・オルガンです。ケーは1927年生まれのオランダのオルガン奏者。すぐれた即興演奏で知られ、作曲家としても多くの作品をのこしています。2018年に永眠。

CD : CHAN 0501(Chandos Records)

CHAN 0501

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これから楽しむのは、アンサンブル"フィアンマ&フォコ"によるヘ長調のトリオ・ソナタ。原曲はオルガンのためのヘ長調のソナタ(BWV529)で、ここできくのはリコーダーとオルガンのための編曲。収録されたアルバム「Bach & Schein: Geistliches Konzert」は、フィアンマ&フォコが2022年に録音したもので、表題どおりバッハとヨハン・ヘルマン・シャイン、さらにハインリヒ・シュッツ、ヨハン・パッヘルベルの宗教曲を中心としたプログラムとなっています。

フィアンマ&フォコのメンバーは、マルタ・グリオッツィ(オルガン)、アルメル・モルヴァン(ソプラノ)、エロディー・ブルフトゥール(リコーダー)、マキシム・シュヴロ(トロンボーン)の4名。このトリオ・ソナタは上記のようにリコーダーとオルガンのための編曲なので、ブルフトゥールとグリオッツィによる演奏です。なお、グリオッツィが弾いているのは、フランスはル・フォゴエのノートルダム大聖堂のオルガン(ベルナール・ユルヴィ建造)です。

CD : Hortus 227(EDITIONS HORTUS)

Hortus 227

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今日これからきくのは、オーストラル・ハーモニーの「Harmonische Freude」(2014年録音)から、美しいコラール編曲「イエスよ、わが喜び」(BWV713a)です。筆写者不明の手稿譜で伝承されているBWV713a(ニ短調)は、BWV713(ホ短調)の異稿で、定旋律はペダルにあらわれます。このコラール編曲をオーストラル・ハーモニーは、室内オルガン(ピーター・ヘイゲン)とオーボエ・ダモーレ(ジェーン・ダウナー)で演奏しています。なお、アルバムにはもう1曲バッハが収録されていますが、それは今年(2024年)2月に紹介済みです。

CD : CHAN 0809(Chandos Records)

CHAN 0809

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