『小松帯刀』 (人物叢書) [単行本]
高村 直助 (著), 日本歴史学会 (編集)
郷土コーナー9月の新着図書。
維新の十傑には、薩摩藩から西郷隆盛 大久保利通 小松帯刀が入る。
西郷、大久保に比べ小松帯刀の知名度はいまいち。
坂本龍馬と小松帯刀は、(1835)年の同じ年の生れ。龍馬33歳で倒れ、帯刀36歳で病死。
『龍馬を超えた男 小松帯刀 』(グラフ社) 原口 泉(2008/3/20) という本もあるのだが大河ドラマ『篤姫』のあとも、それほど帯刀の知名度は上がっていないのではないか。病死早世のせいだけではないのではないか。
本書理解のため、
大政奉還から王政復古の大号令への歴史の流れをおさらいが必要だった。。
その中で帯刀の果たした役割の大きさがわかる。薩摩藩の家老として西郷や大久保または龍馬などの下級武士とは違う働きがあった。
有名な人物だけで歴史を理解し組み立てると現実を見あやまることが多いのではないだろうか、と思われた。
あと本書は桜田門外の変あたりから久光卒兵上京 生麦事件 薩英戦争から維新までの歴史を辿りながら小松帯刀の活躍を描いているのだが、著者が明治期の経済史を専門としているともあって(帯刀が薩摩藩のwiki御軍役掛や御勝手掛、蒸気船掛、御改革御内用掛、琉球産物方掛、唐物取締掛などを兼務していたからでもあるのだが)、奄美の砂糖 「砂糖で軍艦代」をなどの見出しもあって藩財政の分析なども行っているp144「軍政改革と財源模索」。
奄美での白糖作り(明治初年に終わる)の実情や幻の借財計画など、奄美の砂糖以外で捻出された海軍備の資金の金額や割合なども詳しい。
大政奉還
第五
挙兵論と大政奉還(出兵準備と藩内異論
「威力」奉還模索と転機
大政奉還の三日間
密勅と三人の帰藩
鹿児島残留と王政復古
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本書の書評 新聞記事
★ 今週の本棚:五味文彦・評 『小松帯刀』=高村直助・著、日本歴史学会・編
毎日新聞 2012年07月22日 東京朝刊
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amazon内容(「BOOK」データベースより)
幕末の薩摩藩家老。「国父」島津久光の絶大な信頼のもと、海軍増強など強藩づくりを推進し、中央政局においては、大政奉還から王政復古を導き出した演出者であった。維新後も外交の矢面に立ったが、その余りに早い死は歴史的評価を著しく低くした。幕末維新史を大胆に見直しながら、東奔西走し大変革を成し遂げた奮闘の生涯を描く初の本格評伝。登録情報
単行本: 299ページ
出版社: 吉川弘文館; 新装版 (2012/6/15)
言語 日本語発売日: 2012/6/15
商品の寸法: 19.4 x 13 x 2.2 cm
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