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『火花 』 単行本 – 2015/3/11 又吉 直樹 (著)

2015年09月06日 | 本と雑誌

『火花』 単行本  – 2015/3/11
又吉 直樹   (著)   854件のカスタマーレビュー

amazon 登録情報単行本: 152ページ
出版社: 文藝春秋 (2015/3/11)
言語: 日本語

ピース又吉「芥川賞」への古舘氏“皮肉”が物議 東スポWeb 7月17日(金)12時5分配信

今でも、検索ボックスに、火花と打ち込んで、つづけて、一文字開けて”ふ”と入力すると
火花 古館 とオートコンプリートされる。

この古館発言のニュース番組は、ユーチューブで検索して視聴できる。

あれは7月なかばごろであった。

著者の又吉直樹が沖縄★1と奄美の加計呂間島★2にルーツを持つということは
その当時までに知っていたので、すぐに名瀬の書店に探しにいったが
すでの品切れになっていた。


★1 芥川賞「大したもんじゃ」 又吉直樹さん父は実家の名護市で朗報.沖縄タイムス(2015年7月17日)
★2 又吉直樹、島へ行く。 母の故郷〜奄美・加計呂麻島へ.BSジャパン(2014年3月8日放送).


忘れかけていた先週、同じ書店でもう一度探してみたら、★面陳列で三冊ほど、あった。

コトバンク★面陳 メンチン
2 書店で、雑誌や本を棚に立て、背ではなく表紙を見せて陳列する売り方。

図書館で借りこんだ5冊の本が期限までに読めそうになく、
書店で買った本が何冊か積読状態になっていた中、急いで読んだ。
★3“動画配信の黒船”Netflixのニュースを知ったからだ。

★3 又吉の『火花』初映像化で世界へ “動画配信の黒船”Netflixで来年独占配信”. ORICON STYLE (2015年8月28日)

それでも2時間の予定を4時間かけて読んだ。なにしろ芥川賞作品だ。
4時間は倍以上に面白いと思った。

物語は熱海の花火大会で始まり、ラストも、南の島にでも行きたかったが熱海の花火大会で終わる。

真樹の印象がさわやかに残る。途中ですっぱりと登場しなくなる。
真樹は、主人公の徳永が弟子入りした天才漫才師の神谷(かみや)と同棲している女性だ。
真樹の登場シーンは映像にしても合計2分にも満たないと思われるほど、ぽつりぽつりで短い。

僕(徳永)は「真樹さんの人生は美しい。あの少年(真樹の息子)は世界で一番幸せになる。」と、十年あまりあと、偶然に遠くから見た真樹の人生を肯定する。

行き先なしで上野を出た夜行列車は、一行半で雪の青森駅に着いて、青函連絡船に接続する。
女が、さよならあなた、東京の男と別れてきたらしいことが
わかるのは、2番の歌詞の後半まで待たねばならい。
帰るのはどうやら北海道らしいのだが、船は函館に着いたは言っていない。
男がどんな人間で女はそのあと幸せになったのかどうが、想像するしかない。(実は男女の別も断定できないのだが)

参考 『愛すべき名歌たち』 (岩波新書) 新書  – 1999/7/19
     阿久 悠   (著)

ここで「なんでいきなり津軽海峡やねん」とつっこまれそうだが、
本書でも、つっこむ暇がないほど、いきなり唐突なネタ?が連発され、いちいちつっこみ入れると火傷しそうなほどで、圧倒される。

ただ、ナゼか、女と男が真樹と神谷みたいだ、と想像したら、津軽海峡・冬景色もすごい歌詞だなあと思っただけだ。突拍子もないたとえなんだけど。
芥川賞だからかなあ。
同時受賞の羽田圭介の『スクラップアンドビルド』も読んでみたくなった。共通点がありそうなので。

 =======翌日追記

お昼のNHKラジオニュースで聞いた。

太宰治が芥川賞懇願する手紙見つかる
9月7日 12時03分

20代半ばだった太宰治が文壇の重鎮で芥川賞の選考委員も務める佐藤春夫に宛てて書いた3通の手紙。

ニュースでは太宰が「こんどの芥川賞も私のまへを素通りするやうでございましたなら、私は再び五里霧中にさまよはなければなりません」「私を忘れないで下さい」「いのちをおまかせ申しあげます」と芥川賞懇願する文章などが紹介された。

太宰は、芥川賞に強い思い入れを持っていたことが知られているが受賞することはなかった。