ちょっとぶっきらぼうなタイトルに、見るのをためらっていたが、溝口健二監督と知り気合が入った。
トルストイの小説「復活」を川口松太郎が翻案。
トルストイ「復活」遠い昔に読んだかすかな記憶があった。こんな内容だったのか。そしてこんなに面白かったのか。(小間使カチューシャと ネフリュードフ公爵の物語)
二代目ボンボン・兼吉は、女中のおふみと深い中になり父に勘当され、子をはらんだおふみとともに東京へ。
だがボンボンは甲斐性がない。そしておふみは子を養うために女給をしたりと辛酸をなめる。
と、ここまではどかかで聞くような、ありそうな話だが・・・。上京後兼吉と別れ( 兼吉はネフリュードフ公爵と比べようもない)旅回りの一座のひとりとなり漫才(漫才には相方がある)をするという設定が天才的だ。
映像的にも見どころがたくさんあり、その後の話の展開もすこぶる面白い。
か弱いおふみが強い女へと変貌を遂げるまでの、そしてその後の山路ふみ子の演技は高い評価を得ている。
ここでも、子のために、安定した暮らしか、心の通う相手か、
普遍的なテーマも見えてくる、今から87年も前の映画。デジタルリマスターが望まれる。
wikipedia 「復活」トルストイ
若い貴族とかつて恋人だった女の、贖罪と魂の救済を描き、それを通じて社会の偽善を告発するトルストイの小説の『復活』1899年から11年、1910年(明治43年)にはすでに日本でも映画化されていた。
『復活』 : 1910年、監督不明、製作吉沢商店、日本、サイレント映画
ほか多数。wikipedia 最終更新 2021年11月1日
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
愛怨峡
監督 溝口健二
脚本 依田義賢
溝口健二
原作 川口松太郎
出演者 山路ふみ子
音楽 宇賀神味津男
撮影 三木稔
公開 1937年6月
上映時間 108分