ここ何年か大阪に行く時は橿原神宮まで車で行き、そこから阿部野橋へ行き、阿倍野を起点として大阪の目的地に行くというコースを取ってきた。
だから難波へ出ることは殆どなかった。
このたび、堺に住むM先生と難波で待ち合わせることで、私のよく知っていた難波と、すっかり変わっているデパートにおのぼりさんのような、好奇心をもって7階(たぶん)に辿りついた。
並んでまでお食事をしたくないM先生と私は、どのレストランも開店して直ぐのような時刻に、入れるように少し歩いた。
7階にこのような木のあるスペースも、このデパートに来て初めて知った。
地続きの場所にいるような錯覚で、散歩気分だった。
静かであまり歩く人はなくゆっくりできるスペースは、高齢者にとってはちょっとしたオアシスに入り込んだような気がする。
自分の今いる位置が、全く分からなかったが、この建物の見える場所に来て、やっと以前よく難波に来た頃の場所を見つけたような気がした。
7階から見える範囲だから、下は見えないけれど、デパートの正面に近い部分の7階にいるのだと、はれた空をここからでは、独り占めをしているような建物を眺めていた。