地方の田園を縫うような道路を走っていますと、民家の塀から薄紫の花を見せたり、道端の木立の下に、誰も立ち止って貰うことを期待するでもなく「今が私の出番ね。」というように、さりげなくあちこちでよく見かけます。
大和民俗公園の園内散策をしていますと、林の中にひょっこり平凡に咲いている紫陽花との出会いがとてもいいなぁと思います。
里山の自然をできる限り生かして、自然林もなるべくそのままにしたような、林との共生は計算して設計された公園でしょうが、全くそれを感じさせない紫陽花の存在が愛おしいものです。
ここへ来て暫く紫陽花道が続くのかと、あじさいに沿って歩いていますと、グループはここだけです。
次はどのあたりに咲いているかしらと、そんな期待を持たせてくれるのも山路歩きの醍醐味です。「アジサイ園」と名のついた場所に行きますと、紫陽花があって当然の環境ですが、森林浴をしながら目に優しい色彩の紫陽花との出会いに、はっとして立ち止まります。
一番はっとしたのはこのスカイブルーの鮮やかな七輪の花でした。石段を上ろうか下の散策道にしたっがって歩こうかと、迷いながら迷ったのもこの美しい魅惑の色のせいかもしれません。
青い紫陽花に、添えてもらっているような薄いピンクの花は、里山の木立を背景にして、やはり何気なくそこに咲いている好きな光景です。
吉野建ての古民家の板張りの外壁の横には、ヤマアジサイが涼しげに咲いていました。
場所を変えて写しました。光の加減なのか上の紫陽花と違った花のように見えます。以前にUPしましたので、今回は大和の古民家十五棟のうち、紫陽花のもっともよく似合った吉野の「吉野建て」建物の一部だけにしましたが、ここは四季折々の木々や花々を楽しむことができます。
梅雨さなかでしたが、雨も降らず強い照りもなく、森林浴を十分にすることのできた一日でした。